【小児科医blog】子どもの鼻水吸引で鼻血を出させない:小児科現場でも使う「痛くない吸引テクニック」 | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog】子どもの鼻水吸引で鼻血を出させない:小児科現場でも使う「痛くない吸引テクニック」

子育て
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「子どもが風邪をひいて鼻水がズビズビ…苦しそうだから吸ってあげたいけれど、吸引するとすぐに鼻血が出てしまう」

そんな経験はありませんか?

赤く染まったティッシュを見ると、「やり方が間違っているのかな?」「傷つけちゃったかな?」とドキッとしてしまいますよね。

実は、子どもの鼻は大人以上にデリケート。

少しのコツを知っているだけで、出血のリスクを減らし、かつ驚くほどスッキリ吸えるようになります。

今回は、今日から実践できる「痛くない・怖くない鼻水吸引のコツ」を徹底解説します。


なぜ鼻吸いで鼻血が出るの?

まずは原因を知っておきましょう。 子どもの鼻の入り口から1〜2cmほどの場所にある「キーゼルバッハ部位」というエリア。ここは網の目のように毛細血管が集まっている場所です。

  • 粘膜が薄い: 子どもの粘膜は大人の何倍も薄く繊細です。
  • 充血している: 風邪をひいている時は、炎症で血管がパンパンに膨らんでいます。

つまり、ただでさえ傷つきやすい状態のところに、ノズルの先端がコツンと当たるだけで、簡単に血管が破れてしまうのです。

逆に言えば、「この場所に当てない」ことが最大の攻略法になります。


準備8割!「吸う前」の一手間で変わる

鼻吸引を行う際、いきなりノズルを突っ込んでいませんか?

乾燥してカピカピになった鼻水を無理やり吸うのは、粘膜をヤスリでこするようなもの。まずは「吸いやすい環境」を整えます。

  • お風呂上がりがゴールデンタイム 湿気と体温で鼻水がサラサラになり、粘膜も潤っています。
  • 「魔法の水」生理食塩水を使う お風呂に入れない時は、生理食塩水(または赤ちゃん用鼻洗浄スプレー)を2〜3滴、鼻に垂らします。そのまま1〜2分待つと、固まった鼻水がふやけて、驚くほどスルッと吸えるようになります。
  • 入り口にワセリン ノズルを入れる前に、綿棒で鼻の入り口に薄くワセリンを塗っておきましょう。摩擦が減り、粘膜への負担が激減します。

実践!出血させない「角度」と「固定」

ここが一番のポイントです。

① ノズルの向きは「耳」!

鼻の穴にまっすぐ上に向かって入れるのはNG。これだとキーゼルバッハ部位(鼻の真ん中の壁)を直撃してしまいます。 正解は、「顔の外側(耳の穴の方向)」に向けて入れること。鼻の側面の壁に沿わせるイメージです。これなら血管が集中している部分を避けられます。

② 「突く」のではなく「密閉」する

ノズルを奥まで入れる必要はありません。 手前の入り口部分にノズルを当て、鼻の穴を塞ぐようにして「真空状態」を作ります。空気の漏れをなくせば、弱い吸引力でも、奥の鼻水までズルズルと引き出すことができます。

③ 嫌がる時は「カニばさみ」

子どもが動くと、ノズルが暴れて粘膜を傷つけます。 座った状態で、親の太ももで子どもの頭を挟むか、寝かせた状態で腕を体ごとバスタオルで巻いて(みのむし巻き)、顔をしっかり固定しましょう。 「かわいそう」と思うかもしれませんが、短時間で安全に終わらせる方が、結果的に子どもの負担は少なくなります。


それでも血が出てしまったら?

もし血が混じっても、慌てないでください。

  1. 即ストップ: その回の吸引は中止します。
  2. 小鼻をつまむ: 親指と人差し指で、小鼻(鼻の膨らんでいる部分)を強めにつまみます。
  3. 5分待つ: 「止まったかな?」と何度も手を離して確認するのはNG。5分間はつまみ続けて圧迫止血します。

※頻繁に出血する場合や、15分以上止まらない場合は、一度耳鼻科や小児科を受診してください。


まとめ

鼻水吸引は、コツさえ掴めば、風邪の治りを早め、中耳炎を予防する最強のケアになります。

  1. お風呂上がりや水で「ふやかす」
  2. ノズルは「耳の方向」へ向ける
  3. 奥まで入れず「手前で密閉」

今日からこの3つを意識して、親子ともにストレスのない「スッキリ体験」を目指してみてくださいね。

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