消化器 | ゆるっと小児科医ブログ

消化器

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心身症

【小児科医blog】過敏性腸症候群 (Irritable bowel syndrome : IBS) について

今回は、小児の心身症(心理・社会因子の大きく関与した身体の病気)の一種であり、腹痛や腹部不快感が数ヶ月の単位で継続する疾患、過敏性腸症候群(IBS)についてをまとめていきます。IBSの特徴・機能的疾患であり、排便の状況で症状が変化することが...
消化器

【小児科医blog:消化器】乳児難治性下痢症(infantile refractory diarrhea)

総論定義:2歳までに発症し、経静脈栄養による管理を要することのある、2週間以上持続する遷延性下痢症・乳児の消化管は構造上あるいは免疫学的に未熟であり、食物以外にも細菌やウイルスなどの様々な物質に暴露されるため障害を受けやすいです。・さらに先...
消化器

【小児科医Blog:消化器】トドラーの下痢症

総論・トドラーの下痢症は、Toddler(幼児)の時期に発生する下痢であり、栄養障害や体重増加不良といった病的な症状を伴わない慢性下痢をさす。・果糖やソルビトールを含む果汁ジュースやスポーツ飲料の摂取で症状が悪化することが特徴であり、慢性非...
消化器

【小児科医blog:消化器】先天性食道閉鎖症(congenitial esophageal atresia)について

総論・食道閉鎖症は、出生時に食道が途中で途切れている状態を指す先天性疾患です。・この疾患は、胎生4〜7週頃に気管と食道が分離する過程で異常が生じることによって発生します。・発生頻度は約3,000〜5,000人に1人とされ、日本では年間約20...
消化器

【小児科医blog:消化器】十二指腸狭窄症(Duodenal stenosis)について

総論・十二指腸狭窄症は、小児における消化管閉塞疾患の一つで、先天性または後天性に発生します。・本疾患は十二指腸が異常に狭くなることで、胃内容物が正常に通過できなくなり、消化不良や嘔吐などを引き起こします。・先天性腸閉鎖疾患の中では、十二指腸...
免疫

【小児科医Blog:消化器・免疫】Crohn病(クローン病)について

総論・小児クローン病は、成人と比較して診断時に病変範囲が広く、重症であることが多いことが特徴です。・また、肛門病変を伴うことも少なくありません。・小児期には、消化器症状に加えて成長や心理的問題も考慮する必要があり、その特性に配慮した治療指針...
消化器

【小児科医blog:腹部, 消化器, 肝臓】脾腫を認める疾患

病態・脾腫大を認める疾患には、心不全や肝炎の他、さまざまな疾患がある。①increased splenic function(感染症、溶血性貧血、自己免疫疾患) ②infiltration(白血病/リンパ腫、先天代謝異常症) ③conges...
PICU

【小児科医blog:ER, 救急, PICU, 肝臓・消化器】小児劇症肝炎, 急性肝不全

小児救急疾患の一つ、急性肝不全・劇症肝炎についてまとめます。小児慢性特定疾病情報センター情報:急性肝不全(昏睡型)まず、小児慢性特定疾病情報センターでの情報から(下記リンク参照↓)A. 主要症状・所見意識障害(小児の肝性昏睡分類で示す)黄疸...
先天異常・染色体異常

【小児科医blog:新生児, 消化管, 小児外科】消化管閉鎖(食道閉鎖, 十二指腸閉鎖, 空回腸閉鎖)について

総論・消化管の閉鎖は胎生期の原始腸管の発生過程の異常に伴い、いずれの部位でも起こりうるが、食道・十二指腸・小腸での閉鎖が多い。食道閉鎖・出生3,500-4,500 人に1人の頻度で、約半数に食道閉鎖以外の合併症が認められる。・胎生5-7週ご...
消化器

【小児科医blog:消化器, 超音波検査, 救急, ER, PICU】小児腸重積症の治療について

重症度評価・以下の中等症以上の基準に該当する場合、全身状態良好であっても腸管虚血の可能性がある。初発症状から経過時間が48時間以上生後3ヶ月以下先進部が脾湾曲部より肛門側回腸回腸型白血球増多 ( WBC > 20,000/μL)、CRP高値...
新生児

【小児科医blog:新生児, NICU, 肝胆膵】胆汁うっ滞について

総論・T-Bil値が5mg/dL以下の場合は、D-Bil値が1mg/dL以上、T-Bil値が5mg/dL以上の場合では、D-Bil値はそのうちの20%以上を閾値とする。・胆道閉鎖症の発見が遅れないように(生後2ヶ月での手術を要する)、外科と...
アレルギー

【小児科医blog:消化器, アレルギー】好酸球性消化管疾患(EGIDs)について

定義・好酸球性消化管疾患(EGIDS; eosinophilic gastrointestinal disorders)は好酸球の消化管局所への異常な集積から炎症が生じ、消化管組織が傷害され、機能不全を起こす疾患の総称である。分類部位による...
消化器

【小児科医blog:消化器, 肝臓】非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)について

総論・脂肪肝は、肝細胞内に中性脂肪が過剰に蓄積した状態を指す・小児でもカロリーの過剰摂取や運動不足などの生活習慣に伴う非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD: nonalcoholic fatty liver disease)が多いが、年少児...
消化器

【小児科医blog:消化器】小児の胃炎・消化性潰瘍について

総論・胃炎とは、胃粘膜に炎症細胞が浸潤した状態を表しており、臨床経過や病理組織所見から急性胃炎と慢性胃炎に大別される。原因・急性胃炎は感染症、ストレス、化学物質の誤飲などにより引き起こされる。・慢性胃炎は、主たる原因はH. pylori感染...
消化器

【小児科医blog:消化器, 感染症, 抗菌薬】小児のヘリコバクター・ピロリ感染症について

※小児期ヘリコバクター・ピロリ感染症の診療と管理ガイドライン2018(日本小児栄養消化器肝臓学会)参照総論・ピロリ菌の感染の多くは小児期、特に乳幼児期に成立する。・日本における健常小児のピロリ感染率は約3~10%と言われている。感染経路・約...
感染症

【小児科医blog:消化器, 外科, 感染症】小児の腹膜炎(抗菌薬治療について)

腹膜炎(peritonitis)の病態・多くは腸穿孔または縫合不全による細菌漏出に伴う二次性細菌性腹膜炎。・特殊な腹膜炎として、ネフローゼ症候群による腹水貯留に続発する特発性細菌性腹膜炎、腹膜透析や脳室-腹腔シャント(VPシャント)による感...
新生児

【小児科医blog:新生児、胎便、消化器、外科】胎便病について

総論・粘稠な胎便(胎児期に腸の中にたまっているネバネバした便)によって、大腸や小腸の閉塞が生じる疾患・胎便が大腸の中にのみ詰まったものを胎便栓症候群、小腸の中に詰まったものを胎便病と分けてよぶこともあるが、どこに胎便が詰まっているのかはっき...
新生児

【小児科医blog:新生児、消化管, 小児外科】鎖肛(直腸肛門奇形)について

総論・会陰部の肛門窩に肛門がないため、排便することができない奇形疾患。・排便、排ガスができないと、腹部が張ってきて、嘔吐や呼吸苦が出現する。・肛門は妊娠初期につくられるが、何らかの理由で上手く発生しなかった場合に鎖肛となる。発生・直腸肛門管...
感染症

【小児科blog:消化器, 外科, ER】急性虫垂炎について

病態・糞石や、粘膜〜粘膜下層の腫大したリンパ組織、屈曲が虫垂内腔を狭窄・閉塞し、盲端側の内圧上昇を引き起こし発症の機転となる。そして腸内細菌が増殖し急性炎症を起こす。・周囲腸管の炎症が虫垂に波及する場合もある。・4歳以上、徳に10代前半に多...
消化器

急性膵炎について

今回は、急性膵炎についてまとめます。成人ではアルコール性や胆石性などが原因として多いですが、小児では膵胆管合流部異常など構造上の異常が原因となることもあります。しかし、診断や治療法に関しては、成人の急性膵炎の治療と大枠は変わりありません。急...
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