【小児科医blog:新生児、消化管, 小児外科】鎖肛(直腸肛門奇形)について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:新生児、消化管, 小児外科】鎖肛(直腸肛門奇形)について

新生児

総論

・会陰部の肛門窩に肛門がないため、排便することができない奇形疾患。

・排便、排ガスができないと、腹部が張ってきて、嘔吐や呼吸苦が出現する。

・肛門は妊娠初期につくられるが、何らかの理由で上手く発生しなかった場合に鎖肛となる。

発生

・直腸肛門管は、胎生4-12週までに形成される。

・胎生4週では後腸末端部は尿膜と総排泄腔を形成している。その後、尿直腸中隔が尾側方向に発達し、前方の尿生殖洞と後方の肛門直腸管の2つの腔に分かれる。女児では胎生6週にミューラー管が尿直腸中隔を下降する。

・これらの過程に異常があると直腸肛門奇形となる。

病型分類

・鎖肛のタイプは大きくわけて3つ。レントゲン画像上、排便に関する筋肉(恥骨直腸筋・肛門挙筋)と直腸盲端の位置関係から分類される。

・高さに関しては、レントゲン画像上での補助線で決定される。瘻孔のないものは生後24時間前後に骨盤高位(cross table lateral)や倒立像撮影(インバートグラム)を行い、低位か高位か診断を行う。

P-C線:恥骨中央と仙骨下端を結ぶ線。肛門挙筋の上端。

I線:坐骨結節を通りP-C線に平行な線。恥骨直腸筋系帝の下端。

m線:P-C線とI線の中央でこの両者に平行な線。恥骨直腸筋系帝の上端。

高位=盲端がm線よりも頭側

低位=盲端がI線よりも尾側

中間位=m線とI線の間に盲端あり

頻度

・出生約5000に1人。

・男児にやや多い。男女ともに低位型が最も多い。

症状

・肛門があるべき位置にないため、すぐに見つかることが多い。出生後の直腸検温時に肛門が見つからないことで気づかれる。

・見逃された場合、数日後にわかると腹部膨満、嘔吐、胎便排泄遅延などで気づかれる。

診察

・無処置の状態を写真で記録に残しておくことも重要。

・低位の場合、瘻孔を認めることもある。男児の場合、肛門会陰皮膚瘻では肛門はなく、その前方の位置に瘻孔が開口している。

合併症

・高位では70%、中間位で60%、低位で30%に合併奇形を伴う。

・特に、尿路系の奇形が多い。そのため入院時には腎エコーを行う。

・また脊髄や椎体の異常を伴うことも多く、X線の確認と腰仙部超音波検査も行う。

VATER連合

・椎骨異常、鎖肛、食道閉鎖を伴う気管食道瘻、心奇形、腎尿路奇形、四肢の異常。

Currarino三徴候

・鎖肛+仙骨奇形+仙骨前腫瘍

治療

・外科的治療を要する。新生児期の治療としては、保存的治療と人工肛門増設がある。

・解剖学的に正しい位置に直腸を通すことが重要であり、排便関連筋の位置関係を確認しながら手術を行う。

・24時間を過ぎると腸管穿孔の可能性がある。

保存的治療(ブジー、浣腸)

・体重が6kgになるまで瘻孔をへガールブジーで拡張し排便させる。

人工肛門増設

・中間位、高位のほとんどの症例に対して行われる。

根治術

・高位の場合、体重が8-9kg(生後5-6ヶ月)になれば根治術を行い、その2-3ヶ月後に人工肛門を閉鎖する。

・低位型では原則として、新生児期に根治術を行う。

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