Dr.りんご | ゆるっと小児科医ブログ

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感染症

【小児科医blog:コッホ現象とは?】BCGワクチン接種前に知っておきたい注意点

はじめに・まず、コッホ現象の定義を確認しましょう。コッホ現象とは、BCGワクチンを接種した際に、その小児が『すでに結核菌に感染している(感作されている)』場合に生じる、早期かつ強烈な局所反応を指します。BCG skin reaction i...
感染症

【小児科医blog:感染症】急性副鼻腔炎・慢性副鼻腔炎について:2025年版 診断と治療

急性副鼻腔炎 (ABRS): 診断と鑑別・抗菌薬の適正使用は、正確な診断から始まります。ここでは、無害なウイルス性上気道炎(URI)から、治療対象となる細菌性ABRSをいかに臨床的に鑑別するかに焦点を当てます。基礎知識:解剖学的特異性・小児...
感染症

【2025年最新版】点鼻インフルエンザワクチン・フルミスト(LAIV)は不活化ワクチンを超えるか?:有効性・安全性・免疫機序

小児科の臨床現場において、インフルエンザワクチンのシーズンは大忙しな日々ではないでしょうか。特に、注射の痛みを極度に恐れるお子さんへの対応は、なかなかに骨の折れる仕事です。この長年の課題に対し、2023年3月27日、日本国内で待望の選択肢が...
小児

【小児科医blog:薬剤】小児の鎮痛・鎮静薬まとめ(薬剤希釈方法, 実践各論)

鎮静・鎮痛には様々な薬剤が使用されますが、小児では体重に合わせた適切な薬剤量があります。少なすぎると鎮静・鎮痛できないですし、多すぎると呼吸障害などの副作用で生命に関わるリスクもあります。小児科では、MRIなど長時間の検査で、どうしても鎮静...
感染症

【小児科医Blog】小児腸管出血性大腸菌(EHEC)感染症の最新知見:HUS予防から治療、長期予後まで

はじめに:小児の血便・小児科の日常診療において、血便を主訴に来院する子どもは決して珍しくありません。その多くは一過性の感染性腸炎で自然軽快しますが、中には重篤な合併症である溶血性尿毒症症候群(Hemolytic Uremic Syndrom...
小児

【小児科医blog】菊池病(組織球性壊死性リンパ節炎)について

・遷延する発熱と頸部リンパ節腫脹を主訴に来院する患者さんが来た時、鑑別リストには、ウイルス感染症、細菌性リンパ節炎、川崎病、そして悪性リンパ腫などが常に挙げられるでしょう。・しかし、忘れてはいけない鑑別疾患に、菊池氏病(Kikuchi-Fu...
新生児

【小児科医Blog:循環器】動脈管開存症(PDA:patent ductus arteriosus)について

PDA:patent ductus arteriosus今回は、動脈管開存症(PDA)についてのまとめブログです。PDAについて確認する前に、動脈管の役割について、復習しましょう。通常、胎内では動脈管は主肺動脈と大動脈をバイパスして胎児循環...
アレルギー

【小児科blog:アレルギー】食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES)について

今回は、近年増加傾向の、消化器症状を主体とするアレルギー「食物蛋白誘発胃腸炎(FPIES: Food protein-induced enterocolitis syndrome)」についてまとめていきます。本疾患は、まだ小児科医・アレルギ...
検査

【小児科医blog:泌尿器, 腎臓, 検査】排尿時膀胱尿道造影(VCUG)について

排泄時膀胱尿道造影(VCUG)は、膀胱尿管逆流(VUR) 、下部尿路疾患に対するgold standardな検査です小児では尿路感染症、排尿障害、外陰部異常などの精査のために選択されることが多いです患児にとっては負担のある検査であり、素早く...
循環器

【小児科医blog:循環器】起立性調節障害(orthostatic dysregulation: OD)について

orthostatic dysregulation(以下ODと略称)総論・たちくらみ、失神、朝起き不良、倦怠感、動悸、頭痛などの症状を伴い、思春期に好発する自律神経機能不全の一つ。・過去には思春期の一時的な生理的変化であり身体的、社会的に予...
アレルギー

【小児科医blog:アレルギー】牛乳アレルギー(milk allergy)について:特徴, 疫学, 診断, 検査方法についてのまとめ

令和6年度(2024年9月)の即時型食物アレルギーの原因食物では、全体第3位(13.4%)を占める、、牛乳アレルギーについてのまとめです。即時型食物アレルギー(FA)として、0〜2歳に多く、特に0歳台の乳児期では、27.3%多く、0歳台のF...
アレルギー

【小児科blog:アレルギー】鶏卵アレルギー(Egg allergy)について

令和6年度(2024年9月)の即時型食物アレルギーの原因食物では、全体第1位(26.7%)を占める、、鶏卵アレルギーについてのまとめです。即時型食物アレルギーとして、0〜2歳においては圧倒的に多く、特に0歳台の乳児期では、55.6%と半数を...
アレルギー

【小児科医blog:アレルギー】小麦アレルギー(Wheat allergy)について

令和6年度(2024年9月)の即時型食物アレルギーの原因食物では、全体第4位(8.1%)を占める、小麦アレルギーについてのまとめです。以前は全体第3位となっていましたが、減ってきたというよりは、第2位の木の実類(24.6%)が大幅に増えてき...
皮膚

【小児科医blog:皮膚】伝染性軟属腫(Molluscum contagiosum)VS 尋常性疣贅(Verruca vulgaris)

総論・小児の皮膚科疾患の中でも、伝染性軟属腫(Molluscum contagiosum)と尋常性疣贅(Verruca vulgaris)は、日常診療で非常に頻繁に遭遇する疾患です。これらは「イボ」として一括りにされがちですが、その病態、原...
循環器

【小児科医向け 2025年版ガイドライン対応】知っておきたい学校心臓検診〜突然死予防のために〜

はじめになぜ今、学校心臓検診の最新情報が必要なのでしょうか?・小児科医の皆様、そして学校検診に携わる全ての医療従事者の皆様。日々の診療や検診業務、誠にお疲れ様です。学校心臓検診は、日本の公衆衛生における成功事例の一つとして、長年にわたり児童...
発達

【小児科医Blog:発達】言語・運動・社会性の発達について〜月齢・年齢目安〜

・小児の発達は個人差が大きい所ではありますが、大体の目安として、月齢・年齢毎に下記のような基準がありますので、ご参考にしてください。生後2ヶ月・喃語の出現・あやし笑いあり(視覚認知による)生後3−4ヶ月・頚定 (4ヶ月ごろの緊張性頚反射の消...
小児

【小児科医Blog】2025年版:小児医療の関わる社会的問題・医療制度について

出生者数、出生率、合計特殊出生率<出生者数>・2024年の日本の出生者数は、68万6061人で、1899年の統計開始以降、初めて70万人を下回りました。前年の72万7288人から約4万1千人減少。<出生率>出生率(人口千対)は5.7となり、...
内分泌代謝

【小児科医blog】小児の家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia):症状・診断・治療の最新ガイド

総論:小児の家族性高コレステロール血症・家族性高コレステロール血症(Familial Hypercholesterolemia:FH)は、遺伝子の変異による脂質代謝異常症の1つであり、小児期から著しく高いLDLコレステロール(LDL-C)を...
感染症

【小児科医blog:感染症】小児の真菌感染症治療|現場で役立つ抗真菌薬の使い分け

【はじめに―小児真菌感染症と抗真菌薬の重要性】・小児科臨床において深在性真菌感染症は免疫不全児や新生児、化学療法中の小児患者などで特に問題となっています。・抗真菌薬の選択は症例ごとのリスク評価・感染部位・真菌種と薬剤感受性に基づく個別対応が...
先天異常・染色体異常

【小児科医blog:内分泌代謝】新生児マススクリーニング (NBS)について

【新生児マススクリーニングの最前線:最新の科学と日本の現状】・新生児マススクリーニング(Newborn Screening、NBS)は、生まれたばかりの赤ちゃんに対して遺伝性疾患や先天代謝異常などを早期発見するための非常に重要な検査です。・...
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