排泄時膀胱尿道造影(VCUG)は、膀胱尿管逆流(VUR) 、下部尿路疾患に対するgold standardな検査です
小児では尿路感染症、排尿障害、外陰部異常などの精査のために選択されることが多いです
患児にとっては負担のある検査であり、素早く正確に評価を行う必要性があります
適応
・以下の場合、排泄時膀胱尿道造影(VCUG)の適応となる
①初回有熱尿路感染でも超音波検査で水腎症・水尿管などの異常所見あり
②2回以上の有熱尿路感染
③臨床経過が非典型的で難治性の有熱性尿路感染
④就学児の昼間尿失禁で、排便コントロールや排尿指導で改善しない場合。
⑤二分脊椎など排尿障害を疑う
・尿路感染症後のVCUGの実施時期は、臨床症状の改善後、比較的早期に行うことが推奨されています
準備物
・4-6Frカテーテル
→細径であれば、痛みも少なく尿道損傷が少ないので良い。排尿時撮影時にカテーテルを抜去することなく、後部尿道弁など尿道疾患も評価可 (2歳以上の女児では、太めの8Fr カテでもOK)。また、排尿時の撮影を繰り返し行うことができる(=Cyclic VCUG)
※バルーンカテーテルは、膀胱頚部がみにくい、排尿しづらいので微妙。
・造影剤(イオパミドール=イオパミロン:2−3倍希釈)
・消毒(十分に消毒してから処置)
・鑷子(カテ挿入手技や消毒の際に使用)
・ゼリー(痛みを減らすよう、十分に使用)
・採尿用シリンジ
膀胱充満時の推定膀胱用量
2歳未満:体重(kg)×7 mL
小児:2歳以上 (年齢+2)×30 mL, または(年齢+3)×20 mL
15歳以上:500mL以上
膀胱造影時に使用する薬剤
希釈方法
ウログラフィン2Aを生食1瓶と合わせる
訂正(2023.10.20)
現在、ウログラフィンは逆行性尿路造影には使用できないようです…。
↓下記の希釈法をX(旧Twitter)上で教えていただきました!
【造影剤使用例】
イオパミドール(イオプロミド)=イオパミロン を3倍希釈
(例:イオパミロン100mLに生食200mL…等)
検査のポイント
・仰臥位で、尿道入り口を消毒後にカテーテルを挿入。
・カテーテル挿入後、膀胱内の尿をできるだけ吸引し、虚脱した状態から造影剤の滴下を開始する。
・約1mの高さより自然滴下で造影剤を注入する
・異所尿管開口やVURが疑わしい新生児や乳児の場合、カテーテルを留置したまま、繰り返し排尿時撮影をするcyclic VCUGを行うとVURがの検出率が高くなります
・排尿後に残尿がある場合は、内容を吸引し残尿量を測定する
撮影するべき画像
被爆を減らすため、排尿時の連続撮影以外は間歇的透視を行う
・造影剤滴下前の腎から膀胱を含めた腹部(KUB: kidney-ureter-bladder)
・蓄尿早期(尿管瘤のように注入開始直後に認めやすい異常所見も見逃さず撮影)
・膀胱充満時(正面、右前斜位、左前斜位)
・排尿時(連続撮影:尿道や膀胱の形態だけでなく機能評価も可能)
※男児では左前斜位が必須!(膀胱尿道が完全に造影されるように)、女児は正面像
・排尿後(滴下前と同様の範囲のKUB)
・原則として、検査前に飲食制限、浣腸、鎮静などの前処置は必要ない。
・上は腎上極、下は尿道がしっかり収まるようにする。
→腎内逆流(IRR:Intrarenal reflux)も見逃さないようにする。
CAP(coutinuous antibiotic prophylaxis:持続予防内服)
【適応】
初回UTIでVURなし、あるいはGrade1・2→CAPなし。
VURグレード4以上→CAPを行う。
VURグレード3→患者ごとにCAPの適応を検討。
CAPが無効なら手術を検討。
・CAP中にUTI再発がなければCAPを継続し、1年後にVCUGを再評価。
【抗菌薬の投与量と方法】
ST合剤:経口1回 2mg/kg(0.022g/kg) 1日1回就寝時
CCL:経口1回 5-10mg/kg 1日1回就寝時


コメント