重症度評価
・以下の中等症以上の基準に該当する場合、全身状態良好であっても腸管虚血の可能性がある。
- 初発症状から経過時間が48時間以上
- 生後3ヶ月以下
- 先進部が脾湾曲部より肛門側
- 回腸回腸型
- 白血球増多 ( WBC > 20,000/μL)、CRP高値 ( >10mg/dL)
- 腹部単純X線検査で小腸閉塞
- 超音波検査で以下の所見を認める;血流低下/腸管重責部の液体貯留/病的先進部の存在
輸液
・軽症の場合には必ずしも輸液は必要ではないが、非観血的整復術の合併症に対処するために輸液ルートは確保しておいた方が良い。
・軽症の場合、循環血漿量の低下や脱水を合併していなければ、循環動態を安定させるための輸液は必要ではない。むしろ過剰な輸液によって腸管組織の浮腫が助長され、整復が不成功になる可能性がある。しかし、整復中に腸管穿孔を合併し緊張性気腹を起こした場合、全身状態が悪化し輸液ルートを確保することに難渋すえうケースもあり要注意。
・重症の場合は嘔吐に伴う循環血漿量の低下や脱水を補うため細胞外液補充を行う。
※高圧浣腸術での腸管穿孔合併リスクは0.5%。6ヶ月未満の児、高圧での整復を行うほど頻度は高くなる。
鎮静薬投与
・鎮痛薬使用例と鎮静薬使用群の間の後ろ向き研究で、整復率・再発率・整復までの時間を研究したところ、鎮静薬が上回った。
・一方、鎮静下整復時のみで穿孔を認めたという報告や、整復後短時間での再発率が上がるとの報告もある。
・使用する理由はあくまで、非間欠的整整復術
X線透視下非観血的整復術について
造影剤
・バリウムを用いた場合、腸穿孔時のバリウム性腹膜炎の合併が問題。予後が悪く、できるだけ早期の開腹手術が必要。腹腔内に漏れたバリウムが腹膜や体網にこびりついてしまい、洗浄しても完全に除去しづらい。また、この残存したバリウムが原因で術後癒着性腸閉塞をきたす可能性が高いとも言われている。
・現在本邦では、水溶性造影剤として6倍希釈のアミドトリゾ酸ナトリウム(ガストログラフィン®︎)が使用されている。
・ガストログラフィン®️は原液の浸透圧が1900mOsm/Lと高浸透圧性であり、原液を用いると脱水をきたしたり、穿孔を来した際に急激に水分バランスが崩れる危険性がある。
・6倍希釈では浸透圧は280 mOsm/Lであり血漿とほぼ等張。
整復圧
・静水圧整復では、100-150 cmH₂0の範囲で整復する。
・ただし6ヶ月未満では120 cmH₂0より低い圧に止めることが推奨されている。
・整復の始めは、100cmH₂0から始めていき、慎重に圧を上げていくのが良い。
整復回数・時間
・X線透視下で行う場合は、3分間加圧、3回実施を推奨されている。
・超音波検査で整復を行う場合は被爆の問題がなく回数・時間の制約は少ないが、患者の苦痛を考慮して5分間加圧、3回実施を推奨する。
再発症例への対応
・腸重積の多くは特発性であるが、一部に病的先進部(PLP: pathologic lead point)を原因とする症例がある
・PLPの頻度は0.3-20%とされている。
・最も多いのはメッケル(Meckel)憩室で、そのほか重複腸管、ポリープ、リンパ腫などがある。
・再発例や年長児に対してはPLPについての精査も有用。
・目安として、ガイドラインでは2回以上繰り返す症例や年齢の高い症例では腹部超音波検査でのスクリーニングが推奨されている。検出できない場合は腹部CT検査等が推奨される。
手術適応
・ショックが改善できない場合
・腸管の壊死・穿孔、腹膜炎がある場合
・非観血的整復により整復できない場合
・病的先進部(PLP)がある場合


コメント