【小児科医blog:新生児、胎便、消化器、外科】胎便病について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:新生児、胎便、消化器、外科】胎便病について

新生児

総論

・粘稠な胎便(胎児期に腸の中にたまっているネバネバした便)によって、大腸や小腸の閉塞が生じる疾患

・胎便が大腸の中にのみ詰まったものを胎便栓症候群、小腸の中に詰まったものを胎便病と分けてよぶこともあるが、どこに胎便が詰まっているのかはっきりしないことも多く、両方をまとめて胎便病と呼ぶ場合もある。

・胎便による閉塞性腸疾患には、嚢胞性線維症に伴ってみられる小腸の閉塞を含む重症なメコニウムイレウスと、嚢胞性線維症を合併せず閉塞部位が結腸に限局している胎便栓症候群がある。

・我が国では嚢胞性線維症の頻度が低く、嚢胞性線維症を合併せずにメコニウムイレウス様の症状を呈するものを胎便病と言っている。

病態

・嚢胞性線維症では、膵機能異常などに伴い胎便の粘稠度が亢進して発症する。

・胎便による腸閉塞の多くは低出生体重児に発症し、出生体重が少ないほど発症頻度は高く、胎児発育不全が危険因子であると報告されている。

・発症には、消化管の未熟性や胎内もしくは出生時のストレスに起因する腸管運動の低下をはじめとする消化管の異常による胎便の粘稠度の亢進が関与している可能性がある。

症状

・出生後1-2日の間、ほとんど胎便排泄がなく、胆汁性の嘔吐または胃吸引物が認められる。

・腹部に腸蛇行を認め、胎便の詰まった腸管を触知できる。

・また、腹部Xp上は拡張した腸管ループを認める。

・ガストログラフィンを用いた注腸造影では、micro colonが認められる。

・胎便病に対する治療(下記参照)を行い、粘稠な胎便の排泄後症状が軽快し、同様の症状を反復することがなければ胎便病と診断される。

鑑別疾患

・ヒルシュスプルング病とその類縁疾患

・小腸狭窄・閉鎖

・壊死性腸炎

治療

グリセリン浣腸

・胎便の排泄遅延があり、胎便の排泄少量の場合、まずはグリセリン浣腸を1日2-3回行う。軽症例ではこれだけで軽快する。

注腸造影

・グリセリン浣腸を1日〜数日行っても反応のない場合、生理食塩水もしくはガストログラフィンを用いた浣腸や注腸を行う。この場合、ガストログラフィンは浸透圧比が高いため、4-6倍に希釈して用いる。

・ガストログラフィンの注腸は治療的意味と同時に診断的にも有用である。しかし腸管穿孔の危険性もあるため、透視下で行うこととする。

外科的治療

・上記の治療法にて症状が改善しない場合、小腸狭窄・閉鎖との鑑別が困難な場合、穿孔をきたした場合は外科的治療を要する。穿孔を起こしている場合は腸瘻の増設が必要となることもある。

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