【小児科医blog:消化器, 肝臓】非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:消化器, 肝臓】非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)について

消化器

総論

・脂肪肝は、肝細胞内に中性脂肪が過剰に蓄積した状態を指す

・小児でもカロリーの過剰摂取や運動不足などの生活習慣に伴う非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD: nonalcoholic fatty liver disease)が多いが、年少児で脂肪肝を認める場合は、NAFLDではなく何らかの先天代謝異常症の存在の可能性があるので注意を要する。

エコー検査

肝臓のエコー検査でのポイント

・肝表面と肝腫大の有無を評価するため、上腹部縦走査で肝縁を確認する。

・肝実質のエコー輝度、門脈壁、および肝門部リンパ節を上腹部横操作で評価する。

・胆嚢の縦断像と横断像で胆嚢壁と胆嚢周囲の評価を行う。

脂肪肝のエコー像

・肝腫大があり、実質エコー輝度の上昇がみられ、bright liverと形容される

・正常では肝のエコー輝度は腎臓より軽度に高い程度だが、脂肪肝では肝臓がbright liverになり、腎臓とのコントラストが強調される(肝腎コントラスト陽性)

・肝細胞腫大により、肝内血管像や横隔膜が不明瞭化する。

・深部ではエコービームの減衰が見られ、画像が不明瞭となる。

・脂肪肝の重症度はエコー所見で下記のように分類される。

  軽症:実質エコー輝度の上昇のみ

  中等症:血管と横隔膜がやや不明瞭となる

  重症:実質エコー輝度の著増と血管や横隔膜が不明瞭化あるいは消失

エコーでの注意点

・急性肝障害時も肝実質エコー輝度の上昇を認めるが、そのほかの所見や血液検査をもとに鑑別する

・肝実質内に局所的な高エコー域を呈し、腫瘍のように見えることがある。これは、以下のような場合には肝腫瘍ではなく脂肪肝の可能性が高いと判断される

①好発部位が門脈や肝鎌状間膜の近傍である場合

②血管などを圧迫する所見がない場合

③辺縁が鈍角である場合

・また、近年エコーの精度が進化していることにより、深部減衰については認められないことも増えてきていることに注意。

血液検査

・肝臓の繊維化の評価のために、以下の項目が肝繊維化を示唆するとされる

・AST/ALT比(>1)

・APRI(AST to platelet ratio index)上昇

・γGTP上昇

PNFI

小児NAFLDの肝繊維化の簡便な指標として、年齢、腹囲、中性脂肪値から算出されるPNFI(Pediatric NAFLD Fibrosis Index)がイタリアから報告されている。

・PNFI≧9以上が肝繊維化の指標とされるが、腹囲の基準が欧米人と日本人で異なるので注意が必要

臨床で使える、他の評価方法

・肝臓検査.comというサイトでは、肝繊維化の評価が生化学検査項目から計算できます。

・数値を空欄に入力するだけ

スコアリングシステム | 肝臓検査.com
スコアリングシステムとは、主に血液などの生化学検査データを組み合わせて、精度を高めて評価するための手法です。血液検査は肝臓以外の要素や目的外の要素が影響する可能性があるため、複数の項目を組み合わせたスコアリングシステムを用いることで、それら...

治療

・まずは体重の減量や肥満度の低下を目的として、食事・運動療法が行われる。

・適度なエネルギー制限により身体的発育が損なわれないよう、管理栄養士による栄養評価ならびに栄養指導を行うことが望ましい。

・米国省に栄養消化器肝臓学会(NASPGHAN)では、果糖と含む飲料を避けることや、中高強度の運動を1日2時間まで実施することが推奨されている。

・食事運動療法以外では、抗酸化作用をもつビタミンEがNASH(非アルコール性脂肪肝炎)の小児患者において組織学的所見を改善したとする報告がある一方で、NASPGHANではビタミンEの有効性は明らかではないと報告している。

・NAFL(非アルコール性脂肪肝)と診断した場合も、NASHへの進展がないか、フォローを継続することが重要である。

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