単純性関節炎
総論
・小児股関節痛の最多の原因。
・先行感染(ウイルス性上気道炎、胃腸炎など)後、原因不明の片側の単関節炎として発症する。部位としては、股関節が最も多い。
・平均年齢は5-6歳くらい。男児が女児の2倍多い。
・痛みの程度は様々であるが、睡眠中に起きるくらい強いこともある。
検査
・血液検査での炎症反応上昇は軽度で、CRP<1mgdLが多い。
・超音波検査では、約70%に関節腔内液体貯留を認める。
除外すべき疾患
・化膿性股関節炎
→最も注意が必要。高熱、白血球数・炎症反応上昇、関節間裂隙拡大、過重不可などあれば疑わしい
・骨髄炎
・化膿性筋炎
・腸腰筋膿瘍
・腹腔内膿瘍
・Perthes病
・反応性関節炎
治療方針
・一般的に、5-7日で自然に軽快する。しかし長いと1ヶ月間に及ぶケースもある。
・基本的に対症療法。イブプロフェンの内服など。
・1割ほどで再発するケースも認められる。
化膿性関節炎
総論
・関節腔の急性細菌感染症である(真菌もあり)。
・発症年齢平均値は2歳ごろ。
・感染成立には、血行性、直接侵入、周囲感染症波及がある。血行性が最多。
・一過性菌血症の細菌が滑膜かえあ関節腔に侵入する。
・周囲感染症の波及としては、骨髄炎が最多。
疫学
・起炎菌で最多はS. aureusである。Hibは予防接種普及後に激減している。
・Neisseria gonorrhoeaeは新生児、性活動可能な青年期には疑うべき。
・慢性経過の関節炎の場合は、結核を含めた抗酸菌、Npcardiaを考慮する。
症状
・下肢に多く、全体の8割を占める。
・大関節および単関節炎が多い。膝35%、股30%、足13%、肘10%、肩5%、手4%くらい。
・「膝が痛い」「足が痛い」との訴えをするが、実は股関節炎の場合もある。要注意!
検査
画像検査
・画像検査の基本は超音波検査。
・単純レントゲン検査は、骨折、骨端症、腫瘍の鑑別に有用。関節液貯留の描出に優れ、関節内外の鑑別も可能。
血液検査
・炎症反応の上昇を認めるが、非特異的である。
培養検査
・血液培養と関節液培養を合わせると、約6-7割の症例で起炎菌が判明する。
・血液培養単体では4割ほど陽性となる。
治療
抗菌薬
・CEZ 100-150 mg/kg/day 分3
外科的治療
・外科的手術の必要性については、整形外科医と相談が必要。
・基本的に、肩関節・股関節は可及的速やかにドレナージが必要。特に乳児以下の股関節炎の場合、機能予後に直結する。
治療期間
S. aureus, GNR:3-4週間
S. pneumoniae, GAS, GBS:2-3週間
・骨髄炎合併例は骨髄炎の治療期間に合わせる。
・症状の長い症例、S. aureus, GNRが原因であるほど予後は悪い。


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