【小児科医blog:感染症】無脾症・脾臓摘出後の患者への対応について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:感染症】無脾症・脾臓摘出後の患者への対応について

感染症

総論

・脾臓がない、もしくは摘出後の患者に対しては、感染症による重症化リスクが高いため十分に注意した診療が必要になる。

・患者家族、本人に対しても感染症のリスクや予防法(ワクチン、抗菌薬、発熱時の早期受診)を説明しておくことが重要である。

対象

・先天性無脾症

・機能的無脾症(鎌状赤血球症、先天性多脾腫)

・外科的脾摘患者

外来フォローアップ

・基本的に、抗菌薬の予防内服の継続ができる程度で良い。

・ただし、脾臓摘出後1年間は年齢に関わらず重症化のリスクが高いため、細かくフォローアップ。

予防接種

・以下の5種類の予防接種を行う

肺炎球菌13価ワクチン

・定期接種で接種していない場合には、先に追加接種し8週間以上あけて、肺炎球菌23価ワクチンを接種することが推奨されている。

・定期接種。任意接種の場合は約1万円。

Hibワクチン

・定期接種。任意接種の場合は約7000円

インフルエンザウイルスワクチン

・任意接種。

・本人だけではなく、家族も毎シーズンの接種を推奨する。

肺炎球菌23価ワクチン(ニューモバックス®️)

・任意接種。約7000円。外科的脾摘の患者は保険適用

・2歳以上で接種する、その後5年ごとに接種。

・Centers for Diseases Control and Prevention(CDC)の推奨では3回以上の接種について記載なし

髄膜炎菌4価ワクチン(メナクトラ®️)

・N. meningitidis流行地への渡航、寮生活を予定する場合は強く推奨。

・上記以外の場合では自費接種であり家族と相談。

1.2歳以降かつ肺炎球菌13価ワクチン(PCV13)を接種してから4週間以降に接種すること

2. 1回接種後2-3ヶ月で2回目接種。その後5年ごとに接種。

3. 4価のワクチンのため、B群は予防不可

予防内服

・事前に抗菌薬を内服し、細菌感染症の発症・増悪を予防しておく。

・莢膜を有する細菌(S. pneumoniae, H. influenza typeB, N. meningitidis)に最も注意

抗菌薬の種類

・ABPC 20 mg/kg/day(分2)

・ペニシリンアレルギーの場合 ST合剤 0.05 g/kg/day(TMPとして4 mg/kg/day) 分1

発熱時の対応

・原則、直ちに病院を受診する。

・特に5歳未満や脾摘後2年以内では注意が必要

直ちに病院を受診できない場合

・AMPC 45 mg/kg/回

上記を自宅で内服し、できるだけ早く受診。

すぐに病院を受診できる場合

・重症度が高いかどうかで対応が変わる

重症度が高く、Shock-Vitalの場合

・ICUに入室し、血液培養をとる。必要であれば尿検査・髄液検査も実施。

抗菌薬

CTRX 120 mg/kg/day 分2+VCM 60 mg/kg/day 分4

・細菌性髄膜炎が否定できるまでは、髄膜炎菌量での治療を継続。

・腹腔内感染症を疑う場合は広域抗菌薬の選択も検討する。

重症度が悪くない場合

・原則、入院し治療開始する。

・血液培養2セット

抗菌薬

CTRX. 100 mg/kg/day. 分1-2

・VCM投与は患者の状態みて検討する。

・少なくとも血液培養陰性36-48時間経過時点での陰性確認まで継続。

基本的に、S. pneumoniae, H. influenzae, N. meningitidisをターゲットにしているので、CTRXでカバーできる場合が多い。

VCMカバーをするかは下記を検討

①細菌性髄膜炎を示唆する所見があるか

②アンチバイオグラムでS. pneumoniaeのCRTX耐性の程度が高い

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