病態
・便性異常(軟便もしくは水様性便など)が24時間以内に3回以上、または通常の便の倍の回数以上、または通常の倍以上の量出る
鑑別のポイント〜細菌性vsウイルス性〜
ウイルス性胃腸炎
・性状は水様性下痢
・腹痛は比較的軽度
・発熱はなし〜微熱
対応
・対症療法が基本。抗菌薬は不要。
・胃腸炎だからと、何も考えずに制吐薬や下痢薬を使用しないこと
※腸チフス、パラチフスは下痢を伴わないことが多く、高熱・頭痛・発疹・便秘症などが多い
細菌性胃腸炎
・性状は血便、粘血便、しぶり腹
・腹痛は強い
・38度以上の高熱を来す
対応
・抗菌薬の適切な使用例を見極めることが重要
原因微生物ごとの特徴
・大部分はウイルス性が占める。
非チフス性Salmonella属
・卵、生肉、ウナギ、爬虫類(ヘビ、イグアナなど)
・潜伏期間は12-48時間
Campylobacter属
・生や加熱不十分な鶏肉、その他生肉
・潜伏期間は2-7日間
Yersinia属
・加工乳、井戸水など汚染された水
・潜伏期間2-144時間
Vibrio属
・魚介類(刺身、寿司など)から感染
・潜伏期間2-48時間
腸管出血性大腸菌
・生や加熱不十分な肉から感染
・潜伏期間1-7日間
治療
・脱水への対応、整腸薬の使用、抗菌薬の適正使用の3つのポイントが重要
脱水を疑うポイント≒輸液が必要な症例
・全身状態不良
・流涙なし
・capillary refill time<2秒
・粘膜の乾燥あり
・半日以上嘔吐し続けている
抗菌薬について
・抗菌薬の使用に関しては、細菌性腸炎を疑う、またいくつかのポイントを満たす場合に使用するのが適切。
細菌性腸炎での抗菌薬推奨例
①ハイリスク症例
・生後3ヶ月未満
・免疫不全患者
・敗血症
・腸関連の基礎疾患(炎症性腸疾患、Hirschsprung病、短調症候群など)あり
②渡航者下痢症を示唆する
・腸チフスなどを想定した治療が必要
①②での抗菌薬使用例
・CTX 150 mg/kg/day 分3
・CTRX 60 mg/kg/day 分1
・48時間後の血液培養陰性確認まで使用する
カンピロバクター腸炎を疑う場合
・食事歴、便グラム千食で螺旋状グラム陰性桿菌を認めた場合
・CAM 15 mg/kg/day 分2 3-5日間
・AZM 10 mg/kg/day 分1 3日間
rule outするべき疾患
・胃腸炎はゴミ箱診断(他に診断がつかない場合、胃腸炎の症状に当てはまることも多いので良く付けられる病名)と言われています。
・本当に胃腸炎なのか?と常に考えながらの診察で、隠された重要疾患について考えておく必要があります。
非感染性
・心不全
・頭蓋内出血
・アナフィラキシー
・糖尿病性ケトアシドーシス
・腸重積
・精巣捻転
・消化管出血
・異物誤飲
・外傷、虐待
感染性
・渡航関連下痢症(腸チフス、マラリア)
・敗血症
・虫垂炎
・上部UTI
・腸管出血性大腸菌感染症(HUS)
・偽膜性腸炎(CD腸炎)


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