結核・ツベルクリン反応について | ゆるっと小児科医ブログ
PR

結核・ツベルクリン反応について

医学

C.C

「祖父が結核の診断を受けて、この子も検査で受診しました」

「BCG予防接種を受けた後に、赤く腫れてきたんです」

Introduction

今回は、忘れたころにやってくる、結核についてまとめます。空気感染を引き起こす、感染対策に特に注意しなければいけない疾患です。

以下は令和3年版「小児結核診療のてびき」参照です。

https://jata.or.jp/dl/pdf/data/syouni_tebiki_202103.pdf

1. 結核とは

結核は通常、結核菌Mycobacterium tubeculosisの飛沫核感染(空気感染)です。つまり、結核患者から生じた飛沫核が接触者の口から侵入し、気道から肺に入り、胸膜直下の肺胞に定着することで感染が成立します。

ただし、口から吸入されても、気道線毛系により捕捉されたり、消化管に嚥下されれば感染には至りません。暴露を受けても感染するのは25-50%程度とされています。

初感染後、多くの例では細胞性免疫の確立により菌の増殖は抑えられて発病に至らず、「潜在性結核感染(LTBI:Latent tubeclosis infection)」とよばれる状態に移行します。LTBIの多くは結核を発症せず経過しますが、一部は宿主の免疫が弱まった時に眠りから覚め増殖を始め(内因性再燃)、感染後数年から数十年を経て発病にいたります。このような発症例を二次型結核症と呼びます。

2. 結核の診断

結核の感染後4-8週以内で感作が起こり、結核菌に特異的な細胞性免疫が成立します。活性化したTリンパ球とマクロファージにより肉芽腫が形成され、結核菌の増殖を抑制します。同時に、ツベルクリン反応(ツ反)やインターフェロンγ遊離試験(IFN-γ release assay:IGRA)が陽性となります。

成人ではIGRAに基づく診断が一般的ですが、小児、特に乳幼児においては細胞性免疫能が未成熟であることも関連し、IGRAの感度不良が指摘されているため、ツ反併用が推奨されています。

0-5歳(BCG未接種):ツ反を優先(IGRAも参考に)

0-5歳(BCG既接種)&小学生:IGRAとツ反を併用

中学生以上:IGRAを優先

IGRA;QFT-PlusとT-SPOTがあり、それぞれの判定基準がある。

・いつ感染したかを評価することはできないので、結核患者との接触より過去の感染にる陽性の場合には有効性が低くなる。

3. ツベルクリン反応

方法:前腕内側中央部にツベルクリン(精製ツベルクリン0.1ml)を皮内注射する。正確に皮内注射できれば直径6-8mmの皮膚の膨らみができる。

判定:48-72時間後に注射部位の発赤と硬結の大きさを確認する。
ツベルクリン反応の判定方法 ・BCG 未接種であれば発赤径 10mm 以上または硬結 5 mm以上
・BCG 既接種であれば 発赤径30mm以上または硬結 15 mm以上

→「感染あり」と判定。

・乳幼児の場合や、感染リスクが高い場合はカットオフ値を引き下げることを検討する。
・発赤径の如何に関わらず、副反応(水疱・壊死など)を認めた場合には「感染あり」と判定する。

・ BCGワクチン接種後早期にコッホ現象が疑われる局所所見を認めた場合には、接種後2週以 内にツ反を適用することが勧められている。その判定に際しては、「BCG接種歴なし」の基準を適 用し、発赤径10mm以上、または硬結径5mm以上を陽性と判断する。
・感染リスクが高い場合、カットオフ値を 20mm(硬結 10mm)あるいは 10mm(硬結 5mm)とする。

4, コッホ現象

通常、BCG接種後10日経つと針痕部位に発赤が現れ、接種後1カ月∼2カ月までに化膿巣が出来るが、 BCGを既感染者に接種すると、接種後10日以内に接種部位に発赤・腫脹や化膿等が起こり、通常2週間∼1 カ月以内に治癒する。

コメント

タイトルとURLをコピーしました
google.com, pub-9029171507170633, DIRECT, f08c47fec0942fa0