Introduction
・今回は、新生児〜乳幼児で黄疸を呈する疾患、胆道閉鎖症についてをまとめていきたいと思います。
・一度形成された肝外胆管が、何ら管の炎症で閉塞する疾患
・未治療では肝硬変に至る疾患であり、早期診断と治療(手術)が重要である。
・1万人に一人の頻度でみられ、欧米より日本で多い。
症候
・黄疸、灰白色ないし淡黄色便(母子手帳の便色カード:1-3番の色)、濃褐色尿(ビリルビン尿)、肝腫大
・新生児の90%にみられる生理的黄疸は生後14日までに肉眼的に消失するが、胆道閉鎖症の場合は持続する。
・7-8割は便色の異常は生後4週ごろまでに出てくる。残りの2割ほども生後2ヶ月までに発症する。
・肝腫大は次第に硬さを増し、腹部全体が膨満してくる。
・胆汁が腸管内に排泄されず、ビタミンKの吸収が低下して血液凝固障害を起こす。これに伴い頭蓋内出血や吐下血を発症することもあり。
検査
血液検査
・総ビリルビンの上昇、直接型ビリルビンの上昇(1.5mg/dL以上)、直接型/総ビリルビン比(D/T比)20%以上、ASTおよびALTの上昇、リポプロテイン-X陽性など。
超音波検査
①triangular cord sign(TCサイン)
・門脈左右分岐部の腹側にみられる高エコー域。肝外胆管の繊維化による組織塊をしめしている。4mm以上を要請とするが、それ以下でも疾患の否定はできない。
②胆嚢の形態異常、胆嚢の収縮
・哺乳後4時間以上あけて検査。描出されなかったり、長径が1.5cm以下と小さかったり、形がいびつだったりする際に疑う。
・胆嚢の収縮は哺乳後4時間以上の空腹時と哺乳後15-30分での胆嚢サイズを比較。
③肝動脈径の拡大
・固有肝動脈の内径を肝門部で計測し、2mm以上あれば拡大とする。
胆道シンチグラフィ
・USで疾患を否定できない場合に行う。
・核種は肝細胞に取り込まれて1時間で腸管内に排泄されるが、胆道閉鎖症では24時間を経過しても排出がみられない。
ほか、最終的な診断には術中胆道造影、肝組織生検が必要。
治療
手術:90%の症例で葛西法が施行される。
葛西法:閉塞索状胆管を切除後、肝門部の結合組織に存在する微小胆管から流出する胆汁を肝門部に縫合した消化管内腔に開放する手術。
・術後胆汁排泄が不十分なら再手術。


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