小児の低血糖 | ゆるっと小児科医ブログ
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小児の低血糖

内分泌代謝

Introduction

「昨日は元気に一日中遊びまわっていたのですが…今日からなんかぼーっとしていて…。」

「風邪で高熱が出て、具合が悪いのか1回吐いたら、その後も何回も吐いてしまってます…」

今回は、遭遇率が高く緊急性も高い疾患、小児の低血糖についてまとめます。

 

1. 治療

検体採取後、すみやかに行う。

▼投与方法:静注・点滴静注で実施。

Glu0.5g/kg

・20%ブドウ糖(1〜)2.5 ml/kg

=(0.2-)0.5g/kg  ※4〜5分かけてゆっくり静注

・10%ブドウ糖(2〜)5 ml/kg(= 0.2〜0.5g/kg)

▼治療基準

小児では 50 mg/dL 以下 が治療開始基準

・確実例は、新生児≦30 mg/dl、乳児期以降小児≦40 mg/dl

治療目標は 70 mg/dL 以上

・全血で測定した血糖値は、血清での測定値に比し10-15%ほど低値になる。

※急速投与や高濃度のブドウ糖(50%Glu)投与は、過度の浸透圧の変化を引き起こす可能性があるので禁忌。

・低血糖改善後に経口摂取が不能の場合、入院の上、ブドウ糖の維持輸液(糖濃度5-10%)を行う。

 

2. 検査項目

▼基本的な項目

・一般緊急検査:血算、CRP、電解質、肝・腎機能検査、CK、尿酸

・迅速検査項目:尿ケトン体、BGA、アンモニア

▼状況に応じて提出・保存する項目

①血清:インスリン、Cペプチド(CPR)、遊離脂肪酸、ケトン体分画、コルチゾール

成長ホルモン、カルニチン濃度、アシルカルニチン分析

②血漿:アミノ酸分析、ACTH(以下EDTA-2Na血漿)、乳酸/ピルビン酸(ヘパリン血漿)

③尿:アミノ酸分析、有機酸分析

 

3. 症状

・交感神経系は血糖55mg/dL以下で活性化が起こる。ただし一度低血糖が生じると、閾値が下がり、症状を呈しにくくなる。

・交感神経活性化およびアドレナリン放出による症状が出現する。不安、発汗、動悸(頻脈)、脱力、空腹感、振戦、悪心嘔吐、低体温など。

 

4. 鑑別診断

▼鑑別のポイント

・ケトン体陰性の場合、高インスリン症候群あるいはダンピング症候群を疑う。

・ケトン体陽性の場合、ケトン体低血糖である可能性が高い。

 

①ケトン性低血糖

・幼児の低血糖症のなかで最多、好発年齢は1歳半〜5歳

・血中アラニンが低値を示すことが多い。

・前日の夕食量の不足、発熱、疲労、高脂肪食などが発症助長因子

・SGA出生や低出生体重児での発症が多い。

 

②先天性高インスリン血症(高インスリン性低血糖症)

<診断基準>

1. 血糖:< 50 mg/dL

2. 血中インスリン値:>1μU/mL

3. グルカゴン0.5-1mg筋注(静注)による血糖上昇:>30mg/dL(15-45分)

4. 正常血糖を維持するためのブドウ糖静注量(mg/kg/分):>7(生後6ヶ月未満)、3-7(生後6ヶ月以降)、>3(成人)

<補助的所見>

・血中3-ヒドロキシ酪酸(β-ヒドロキシ酪酸):<2mmol/L(2,000μmol/L)

・血中有利脂肪酸(FFA, NEFA):<1.5mmol/L(1.5mEq/L)

★血糖<50mg/dL時に採血した検体で、1-3の基準のうち

⑴2つ以上を満たす場合、または1つを満たし、かつ既知の原因遺伝子変異を同定した場合、高インスリン血清低血糖症と確定診断する

⑵1つのみを満たす場合、高インスリン血清低血糖症の疑診とする。

 

 

参考文献

以上は小児科当直医マニュアル 改訂第15版参照です。

 
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