総論
・巨頭症(macrocephaly)とは、後頭前頭囲(OFC: occipitofrontal circumference)が平均値より+2SD(標準偏差)以上のものと定義される。
・巨脳症(magalencephaly)は脳成長の障害であり、通常は巨頭症を合併する。
・頭囲は大きめだが標準曲線に沿った成長率を示す児よりも、標準曲線のパーセンタイル線を超える頭囲の成長率を示す児が問題になることが多い(つまり急に大きくなってきたら注意!)
検査
・家族歴のない巨頭症の場合、MRIやCTなど画像検査を考慮する。
・大泉門が開存している場合は超音波検査が有用
良性家族性巨頭症(benign familial megalencephaly)
・解剖学的巨頭症の原因で最多。
・大きい頭囲(OFC)の親±軽度の神経発達遅滞があるとき疑われる
・常染色体優性遺伝形式をとる
水頭症
・脳脊髄液の循環・吸収の異常や産生増多など、多様な原因で生じる。
・閉塞性(非交通性)水頭症の原因には、中脳水道狭窄、新生児髄膜炎、早産児のくも膜下出血(SAH)、子宮内ウイルス感染症、Galen静脈瘤、後頭蓋咼の病変や奇形(後頭蓋主要、Chiari奇形、Dandy-Walker症候群)が含まれる。
・中脳水道狭窄は、しばしば分枝や分岐を伴う中脳水道の異常狭小化で、まれに伴性劣性遺伝形式で発生することが知られている。
・子宮内ウイルス感染症では、中脳水道狭窄をきたす。
・Galen静脈瘤は正中線上に位置する静脈瘤が増大し、脳脊髄液の循環を妨げる。
・後頭蓋咼の病変や奇形(後頭蓋主要、Chiari奇形、Dandy-Walker症候群)は、いずれも第4脳室閉塞の原因になる。
・また、まれな原因として、脳脈絡乳頭腫による脳脊髄液産生増多がある。
水無脳症
・両側大脳半球が欠損しているか、膜様の嚢胞で置換されている。
・この疾患の原因は不明。
良性の液体貯留
・なんら臨床症状のない良性の液体貯留がくも膜下や硬膜下腔に生じる。
・治療介入の必要性について、脳神経外科にコンサルトを行う必要性あり。
巨脳症
・様々な代謝疾患や変性疾患で巨脳症が生じる。
・ライソゾーム病(Tay-Sachs病、ガングリオシドーシス、ムコ多糖症)やメープルシロップ尿症、白質ジストロフィー症が含まれる。
その他鑑別疾患
・占拠性病変(腫瘍、嚢胞、動静脈奇形)
・硬膜下出血
・硬膜下水腫
・頭蓋骨肥厚(くる病、骨端異形成症、慢性貧血)
・自閉スペクトラム症
・脆弱X症候群
・脳性巨人症
・神経線維腫症


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