【小児科医blog:総合診療, 神経】小児の筋力低下について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:総合診療, 神経】小児の筋力低下について

小児

総論

・筋力低下は、上位運動ニューロン、末梢神経、神経筋接合部、筋肉いずれの障害でも生じる。

・上位運動ニューロン障害は錐体路症状を認めるため、他の病巣との鑑別は容易である。

・弛緩性筋力低下を疑う主訴としては、運動発達の遅れ、哺乳量低下、運動退行、疲れやすい、脱力、呼吸障害が挙げられる。

・鑑別には、発症時期(先天性、乳幼児期、学童期)、臨床経過(急性、緩徐進行性、反復性)、部位(近位、遠位、全身)を問診・診察で確認する。

・検査としては、血液検査、筋CT/MRI検査、末梢神経伝導速度、針筋電図などが行われる。

末梢神経疾患と筋疾患の鑑別

末梢神経疾患筋疾患
腱反射消失減弱または消失
血清CK正常〜軽度上昇上昇
神経伝導速度軸索障害では正常
脱髄では遅延
正常
筋電図線維束収縮
長い持続・高い振幅
多相性波形
短い持続・低い振幅
多相性波形
筋病理群萎縮筋繊維大小不同
壊死・再生
結合組織の増加

臨床経過と血清CKでの鑑別

先天性

CK高値(数千)

・頭部MRIで鑑別

大脳皮質形成異常:福山型先天性筋ジストロフィー

大脳白質異常:メロシン欠損型先天性筋ジストロフィー

滑脳症・水頭症:Walker-Warburg症候群

CK高値(数百)

心肥大、肝腫大:糖原病Ⅱ型(乳児型)

関節拘縮:Ullich型先天性筋ジストロフィー

CK正常

顔面筋罹患:先天性筋強直性ジストロフィー、先天性ミオパチー

乳酸高値:ミトコンドリア病

繊維束攣縮、F波出現率低下:脊髄性筋萎縮症Ⅰ型

脊髄MRIで脊髄信号異常:脊髄損傷(分娩時)

神経伝導速度の著明な低下(10m/秒):Dejerine-Sottas病

神経伝導速度の著明な低下(導出不能〜<5m/秒):先天性髄鞘低形成ニューロパチー

多発性関節拘縮、反復性無呼吸:先天性筋無力症候群

進行性・近位筋優位

CK高値(数千)

3-5歳から歩行障害:Duchenne型筋ジストロフィー、Becker型筋ジストロフィー

若年成人で発症:肢帯型筋ジストロフィー

CK高値(数百)

ヘリオトロープ疹、Gottron徴候、四肢伸側の紅斑、自発痛・把握痛、抗Jo-1抗体:皮膚筋炎、多発筋炎

肝腫大、幼児期〜学童期に運動障害:糖原病Ⅱ型(小児型)

CK正常

F波出現率低下

 痙性:GM2ガングリオシドーシス(若年型・成人型)

 線維束攣縮:脊髄性筋萎縮症Ⅱ型

顔面・肩甲帯の筋力低下、非対称性の障害:顔面肩甲上腕筋ジストロフィー

その他

甲状腺機能異常、副甲状腺機能異常、副腎機能低下症

進行性・遠位筋優位

CK高値(数百)

心電図異常(心房内伝導障害):Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー

CK正常

20歳代で発症、ミオトニア:筋強直性ジストロフィー

神経伝導速度低下・筋活動電位低下:Charcot-Marrie-Tooth病、巨大軸索ニューロパチー

その他

重金属中毒、尿毒症でも遠位筋優位の筋力低下を認める

イソニアジド、ビンクリスチンは末梢神経障害により遠位筋優位の筋力低下を起こす

急性・全身性

CK高値

筋痛、ミオグロビン尿:ウイルス性筋炎

CK正常

髄液蛋白細胞解離:電気生理検査で鑑別

 伝導ブロック、伝導速度低下、F波潜時延長:Guillain-Barre症候群脱髄型(AIDP)

 筋活動電位低下:軸索型(AMAN, AMSAN)

 伝導ブロック, 伝導速度低下、F波潜時延長、時間的分散:慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIDP)

脊髄MRI:脳幹脊髄炎、横断性脊髄炎、脊髄腫瘍、脊髄梗塞

反復刺激試験

 低頻度刺激(2-5Hz)で漸減現象:重症筋無力症(全身型)

 高頻度刺激(50Hz)で漸増現象:ボツリヌス中毒

参考文献

 

 

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