総論
・意識障害や呼吸障害があれば、気道確保や用手補助換気を行い、呼吸を保つ。
・徐脈や低血圧があれば、静脈路確保、補液、昇圧薬の投与を行う
・低体温があれば、電気毛布などで加温を行う
治療(総論)
・中毒の治療は、①消化管からの吸収阻害(消化管除染)、②血液中の中毒物質の排泄促進(強制利尿、血液浄化療法)、③拮抗薬の投与、④標的臓器の症状に対する対症療法…などを状況に応じて適宜行う。
治療(各論)
・今回は「胃洗浄」、「吸着薬(活性炭)」、「特異的な解毒薬」についてまとめます。
胃洗浄
・原則として、摂取後1時間以内、大量摂取が疑われたり、毒性の高い物質の場合に実施します。
・抗コリン薬やサリチル酸などの腸蠕動抑制作用を有する薬物の場合は、吸収遅延があるため、1時間以上経過していても、胃洗浄が有効な可能性があります。なので、1時間以上経過していても、胃洗浄を諦めるのは少し早いかもしれません…。
・意識レベルの低下やけいれん時は、誤嚥防止の観点から気道確保の後に実施すること。
禁忌
・鋭利な異物(X線で確認)
・石油製品
・有機溶剤
・強酸、強アルカリなど腐食性毒物の確認
・出血素因がある場合
・上部消化管術後、激しい嘔吐が続き穿孔が疑われる場合
合併症
・誤嚥性肺炎
・出血
・消化管穿孔
・低ナトリウム血症
方法
準備物品:バイトブロック、胃管チューブ(乳児:10Fr以上、幼児:14Fr以上)、生食
①バイトブロックを挿入し、なるべく先端が丸く側孔が多数開いている太い胃管を経口挿入する(胃内容物の吸引や送気音の聴取で胃内に入っていることを確認する。可能な限り胃内容物を吸引する)
②患児を左側臥位、頭を10~15度下げた頭低位とし、38度程度に加温した生理食塩液を10-20mL/kg/回を目安にゆっくり注入する
③胃洗浄は排液が透明になるまで行い、必要ならば最後に解毒薬、吸着薬などを注入する。
吸着薬(活性炭)
・原則は摂取後1時間胃内、分子量100-1000程度の物質を吸着、すでに血中に吸収されている物質の排泄促進効果も期待できる。
・活性炭の投与は、消化管内に食物が存在すると吸着能が低下するため、胃内容物の吸引後に実施。
・疎水性の物質(アスピリン、アセトアミノフェン、フェノバルビタール、三環系/四環系抗うつ薬など)は吸着されやすい。また、降圧薬(Ca拮抗薬、β遮断薬)も吸着が期待される。
・親水性の物質(シアン、メタノール、エタノール、エチレングリコール、金属イオンなど)は吸着されにくい。
・緩下薬(D-ソルビトール)の併用も推奨される。薬物を吸着した活性炭の腸内通過時間が短縮し、薬物排泄促進効果が期待されるため。
禁忌
・腸閉塞
・消化管穿孔
合併症
・誤嚥性肺炎
・消化管穿孔
・電解質異常
方法・手技
準備物品:胃管チューブ、活性炭、D-ソルビトール、生食
①胃管チューブを挿入
②初回は活性炭 1g/kgとD-ソルビトール0.5-1 g/kg(35%溶液)を混ぜ、加温した生理食塩水を加えて10-20mL/kg程度の懸濁液を作製し、胃管より「速やかに」注入(胃管内で固まるため)
③2回目移行は、2-6時間毎に活性炭0.5g/kgを投与。24-48時間まで、緩下薬を追加すると電解質異常を惹起する可能性があるので生理食塩水のみで懸濁液を作製する
活性炭が有効な薬物
単回投与
・アスピリン、アセトアミノフェン、バルビツール酸、フェニトイン、テオフィリン、抗うつ薬
複数回投与:徐放性の薬剤に有効
・テオフィリン、フェノバルビタール、フェノチアジン、オピオイド、Ca拮抗薬、抗コリン薬
・カルバマゼピン、フェニトイン、サリチル酸、バルプロ酸、ナトリウム、シクロスポリン
特異的な解毒薬
・以前、特定の中毒物質に対する特異的な解毒薬をまとめました。
・解毒薬を投与する場合、先に活性炭を投与しておくと良いです。
下記参照



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