Introduction
ついに、熱性けいれんガイドラインの新刊が発売になりましたね!
前回は2015年であり、7年ぶりの改訂になります(名前はガイドライン2023ですが、発売は2022年12月)。
変更点
①用語の変更
・まず驚いたのが、表紙に記載されているタイトルです。
・「熱性けいれん(熱性発作)」と、けいれんとは別に熱性発作との記載がありました。
・外国では、febrile convulsionと呼ばれそれを日本では熱性けいれんとされてきましたが、近年はfebrile seizureの方が用いられています。
・これは、熱性けいれんにおいても強直間代を示さない、非けいれん性の発作を含むためです。しかし、熱性発作とすると今までの名前からの変化で混乱が起きるため両方とも用語として使用することになっているようです。
・また、同一発熱疾患罹患中に発作を繰り返すものを反復、別の発熱機会に発作が再度起こるものは再発と用語が区別されています。
②遺伝に関する項目の追加
- 海外と比べ、日本では有病率は最大9%と高く、人種差がある。
- 家族歴では第一度近親者(両親、同胞)で高く、我が国では同胞間では19.9%と両親との一致率13.9%よりも高い。
- 熱性けいれんを疾患スペクトラムにもるGEFS+は20%でSCN1A、8%でSCN1B、9%でGABRG2遺伝子に異常がみられるが、6割以上は単一遺伝子に異常が見られる。
③保護者向けのジアゼパム予防投与のパンフレット例
参考資料として、保護者向けの説明が記載されています。外来で帰宅とする際、説明に使うのに便利そうです。「( )℃以上の発熱に気付いたときに..」など自由に記載できる欄もあり普段の診療に活かせそうです。
④海外の熱性けいれんガイドラインの紹介
最後の方に、海外のガイドラインもまとめてあります。全部確認すると時間のかかりそうな内容をコンパクトに記載してあるので、今度確認してみます!
有熱時発作の初期対応フローチャート
- 概ね、2015ガイドラインと内容に変更はないようですが、フローチャートの下の欄の記載が増えていました。
- 薬剤の参考投与量がフローチャートに記載されているので、このページをそのまま救急外来の小児科診察室に貼っておけば、薬剤量に迷うことはなくなりますね。
- ジアゼパム、ミダゾラム静注の記載はもちろん、ミダゾラム口腔用液(ブコラム®︎)の用量についても記載されています。
- ブコラム®︎ 頬粘膜投与
- 修正在胎52週(在胎週数+出生後週数)以上1歳未満:2.5mg
- 1歳以上5歳未満:5mg
- 5歳以上10歳未満:7.5mg
- 10歳以上18歳未満:10mg
書籍情報
まだ細かな内容までは読めていませんが、今週じっくり読みたいと思います!
小児急性脳症診療ガイドライン2023も発売になるようなので、要チェックです!!


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