Injury Alert:No.126 ナツメグ入りポプリの誤食による中毒 | ゆるっと小児科医ブログ
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Injury Alert:No.126 ナツメグ入りポプリの誤食による中毒

小児

日本小児科学会雑誌 Injury Alertより参照です

Injury Alert(傷害速報)|公益社団法人 日本小児科学会 JAPAN PEDIATRIC SOCIETY
公益社団法人 日本小児科学会公式サイト

今回も実際の症例をチェックしておきましょう!

ナツメグといえば、肉料理によく使われる香辛料ですが、スパイス系は過量に摂取すると重篤な症状を呈するものもあります。

また最近では強い香りから芳香剤として使用される場合も多くあり、要注意です!

※「(→)」の記載は個人の感想です。

事例

年齢:0歳8ヶ月 性別:男児 体重:7.8kg 身長:67.8cm

(→口に色々なものを何でも入れてしまう年齢)

原因対象物

香り付 ナツメグ

・児が生まれる前から同製品を買い替えながら使用していた。

(→普通は食べるものではありませんが….子供は何を食べるかわかりませんね…)

臨床診断名

ナツメグ過量摂取

周囲の状況

母はトイレに行っていた、父は仕事中で不在

病歴と経過

自宅の寝室のベッド横にある棚(高さ約100cm)の上に、粉砕したナツメグが入ったポプリをガラスの器に入れて置いていた。

棚は軽く、それまでも児がつかまり立ちで揺らし倒れることが複数回あった。

(→普段から気をつけていれば防げた事故…。棚は倒れないようにしないと、あっという間にパワフルに成長した子供によって倒されてしまいます。)

事故発生時、母はトイレに行っており事故の目撃なし。

児が啼泣したため母が見に行くと、ポプリに入っていたナツメグ(2cm大)を口に入れていた。

母によると、おそらく児がいつものようにつかまり立ちでポプリの器の入った棚を揺らし、器が倒れて中のポプリが床に落ちたとのことだった。

棚は倒れておらず、器は棚の上で倒れた状態で床に落ちてはいなかった。

母が児の口からナツメグの4分の1個を取り出した。

その後授乳し特に普段と変わりない様子であったが、母は不安になり午前11時頃半頃に医療機関を受診した。

治療経過と予後

全身状態は保たれており、バイタルサインも正常であったが、経過観察目的に1泊入院した。

入院後もナツメグ中毒による症状は出現せず、入院翌日に退院した。

退院後2ヶ月時点で問題なく過ごしている。

(→中毒では、よくわからないものの大量摂取では、経過観察のための入院も一案)

ナツメグとは

・ナツメグはインドネシアのモルッカ諸島原産の常緑高木であるニクズクの乾燥種子で、甘く刺激的な香りがあり、漢方薬として使用される他、ハンバーグなどの肉料理の臭み消しとして使用される。

・ナツメグの精油成分にはミリスチシンとエレミシンが含まれており、それらの代謝産物であるMMDA(3-メトキシ-4,5- メチレンジオキシアンフェタミン)やTMA(3,4,5-トリメトキシアンフェタミン)により中毒症状が発現する。

(→代謝産物が危険!神経・循環・呼吸にも影響を与えてしまいます。)

ポプリとは

・今回のIjury Alertを見て、「そもそもポプリって何?」と思ったのは私だけでしょうか??

・なんだかよくわからなかったので、Wikipediaさんで検索しました。

ポプリフランス語: pot-pourri)は、・香草(ハーブ)、香辛料(スパイス)、木の実、果物の皮や精油またはポプリオイルなどの香料を混ぜあわせて容器に入れ熟成させて作る室内香のひとつ。語源はフランス語で「ごった煮料理」を意味したpot pourri(直訳=「腐った鍋」)で、多様な材料を混ぜてつぼに入れて作ったことに由来する。

日本には、カナダL・M・モンゴメリ作の小説『赤毛のアン』シリーズの『アンの友達』の中で、村岡花子が「雑香」と訳したことで紹介されたとされる[1]

Wikipedia参照

へえーーー。勉強になりました。

ナツメグ中毒の症状

中枢神経症状

・興奮、錯乱、強い不安感、幻覚

循環器系症状

・頻脈、低血圧、ショック、一方で血圧上昇の報告もある

呼吸器系症状

・頻呼吸、不規則な呼吸

抗コリン作用様症状

・顔面紅潮、頻脈、唾液分泌低下(口腔内乾燥)、縮瞳

摂取量によっては中枢神経系にも働き、傾眠、昏睡となることもある。

症状発現時間

・経口摂取の場合、摂取後1-8時間後に症状が出現、24時間程度で症状改善に向かう。

・中枢神経症状は2-3日遷延することもある。

(→1日で大体の症状は出るようです。)

中毒量

・経口中毒量は5-15g

・最小致死量は種子2個(1個=6g)と言われているが、20-80gのナツメグを摂取した7症例いずれも後遺症なく退院したとの報告もある。

(→結局、中毒量はどのくらいなのかは意見が分かれそうですね)

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