肝類洞閉塞症候群(SOS: sinusoidal obstruction syndrome)
肝中心静脈閉塞症(VOD: veno-occulusive disease)
総論
・肝類洞内皮細胞の障害による類洞の炎症、血栓形成を病態とする。
・造血細胞移植後、概ね3週間以内に生じる。
・体液貯留を伴う体重増加、有痛性の肝腫大、黄疸の3つが特徴的な臨床所見である。
・Budd-Chiari症候群や急性GVHD、ウイルス感染症、薬剤性肝障害などと鑑別する。
リスク因子
・2歳未満
・家族性血球貪食リンパ組織球増多症候群
・肝障害の併存(ウイルス性肝炎、鉄過剰症など)
・骨髄破壊的前処置、再移植
・ブスルファン、シクロホスファミド、ゲムツズマブオゾガマイシン、イノツズマブオゾガマイシンの使用
・肝臓への放射線照(>30Gy)など
診断基準
・小児は成人に比べて遅発性が多く、黄疸をきたしにくい。
・欧州骨髄移植学会(EBMT: European Group for Blood and Marrow Transplantation)基準を用いると、高感度にSOSを診断できる。
EBMT基準
造血幹細胞移植後の日数を問わず、次の5項目のうち2項目以上を満たす
・ビリルビン値上昇(3日連続のベースライン以上、または72時間以内にBil≧2mg/dL以上に増加する)
・体重増加(利尿薬を使用しても3日連続で上昇する、または5%以上の増加)
・輸血不応性の血小板減少
・肝腫大
・腹水
予防
下記の薬剤はいずれも適応外使用であることに注意
ウルソデオキシコール酸
用量:12mg/kg/日 分3 最大600mg/日
デフィブロタイド
用量:6.25mg/kg/回 1日4回 2時間かけて静脈内投与
・極めて高価なので注意
新鮮凍結血漿
用量:1-5単位×2/週
ヘパリン
用量:100単位/日 持続静注
ダナパロイド
用量:(成人で)1250単位 12時間ごと
治療
支持療法として水分管理(水分制限、利尿薬投与など)、呼吸管理、疼痛管理を基本として、下記の薬剤を使用し治療する。
デフィブロタイド
・6.25mg/kg/回 1日4回 2時間かけて静脈内投与
遺伝子組み換えトロンボモジュリン
・380 U/kg 1日1回30分で静脈内投与
メチルプレドニゾロン
・0.5 mg/kg 12時間ごとに14回静脈内投与
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