【小児科医blog:栄養】ビタミン薬について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:栄養】ビタミン薬について

栄養

総論

・ビタミンとは、体内の代謝に必須であり、生体内では合成することができない微量で作用する低分子物質の総称である。

・ビタミンは脂溶性ビタミン(Vit. A, D, E, K)および水溶性ビタミン(B群:Vit. B1, B2, B6, B12, C, ビオチン, 葉酸, ナイアシン, パントテン酸)に大別される。

・脂溶性ビタミンは、大量摂取により蓄積されるので過剰症となりやすい。また脂質吸収障害の病態では、脂溶性ビタミン欠乏症を伴うことがある。

・水溶性ビタミンは、尿中に排泄されやすいため過剰症を認めにくいが、欠乏症をきたしやすい。

ビタミン欠乏症の原因

摂取不足

・極端な菜食主義者

・偏食

・テッチしたアレルギー除去食摂取者

・アルコール常習者

・静脈栄養

吸収障害

・消化管切除後

・胆汁うっ滞による脂肪吸収障害

・慢性下痢

・消化器疾患

需要の増加

・妊娠

・授乳

・成長

・発熱など

その他

・薬剤投与

・糖尿病

・腎疾患、透析など

脂溶性ビタミン

ビタミンA

・成長、視覚、形態機能、細胞分化、免疫および生殖、抗癌作用など多彩な生理活性を有する。

・視機能においては、ビタミンAのアルデヒド型であるレチナールが重要である。網膜に存在する視物質であるロドプシンは、レチナールを含有する。

欠乏症

・夜盲症

・眼球乾燥症

・角膜軟化症

・易感染性

・吸収障害

・胎児奇形

原因

・栄養障害:摂取不良、悪性腫瘍など

・吸収障害:吸収不良症候群、炎症性腸疾患など

・肝疾患

・甲状腺機能亢進症

・感染症

欠乏症の治療

・チョコラA 3,000~10,000U/日 経口(or筋注) 分2

過剰症

・脱毛

・皮膚乾燥、剥離

・無気力

・頭痛(偽性頭蓋内圧亢進)

・悪心嘔吐

・催奇形性

ビタミンD

・主な生理作用は小腸、腎臓および骨組織におけるカルシウムおよびリンの代謝の調節。

欠乏症

・くる病、骨軟化症

欠乏症リスクファクター

・完全母乳栄養

・母親のビタミンD欠乏

・食事制限(アレルギー、偏食、菜食主義)

・慢性下痢

・日光暴露不足(外出制限、紫外線カットクリームの使用、冬季、高緯度など)

・早産児

・胆汁うっ滞性疾患

治療

ビタミンD欠乏症

・アルファロール 0.05-0.1μg/kg 経口 分1

ビタミンD依存性くる病Ⅰ型(1α水酸化酵素欠損症)

・アルファロール 0.05-0.1μg/kg 経口 分1

副作用

・高カルシウム血症

・多飲多尿

・不機嫌

・食思不振

・嘔吐

・軟部組織、腎臓、動脈への石灰化(慢性期)

ビタミンE

・主な機能は抗酸化作用

欠乏症

・家族性ビタミンE欠乏症(ビタミンE輸送タンパク質遺伝子欠損症):運動失調、深部知覚障害、網膜色素変性症

・βリポタンパク質欠損症

・脂質吸収障害(先天性胆道閉鎖症、嚢胞性線維症、短腸症候群)

治療

ビタミンE欠乏症

・ユベラ 50-100 mg/日 経口(または筋注) 分2-3

ビタミンE依存性(脂肪吸収障害、βリポタンパク質欠損症、家族性ビタミンE欠乏症)

・ユベラ 300-1000 mg/日 経口(または筋注) 分2-3

副作用

・抗凝固療法中にビタミンK欠乏の成人において1000mg以上のVit. E摂取は推奨されていない。

ビタミンK

・主な作用は、血液凝固および骨形成である。

欠乏症

・出血傾向

・母乳中のビタミンK含有量は少ないため、新生児期にはビタミンK欠乏に陥りやすく、新生児メレナ(消化管出血)、頭蓋内出血を呈する。

治療

・ケイツー 0.1-0.5 mg/kg/日 経口または静注

副作用

・抗凝固療法中には、その作用を減弱させるため、大量のビタミンKは摂取するべきではない。

水溶性ビタミン

ビタミンB1

・生体内のエネルギー代謝および神経伝達に重要。

原因

・食事摂取不良

・吸収障害

・妊娠

・過労

・大量の糖質摂取

・甲状腺機能亢進症

・アルコール依存症

欠乏症

・脚気:心不全、多発神経炎、浮腫。

・乳児脚気:吐乳、不機嫌、嗄声、顔面蒼白、哺乳力低下、眼瞼下垂

・Wernicke脳症

  急性期:眼球運動障害、意識障害、失調性歩行をきたす。

  慢性期:記銘力障害

ビタミンB1依存症

・ピルビン酸脱水素酵素欠損症(Leigh脳症を含む)

・メープルシロップ尿症

・ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症

・巨赤芽球性貧血

欠乏症の治療

アリナミンF注 5-100mg/回 1日1回静注

アリナミンF錠 25-100mg/日 分2-3 経口

副作用

・大量摂取しても尿中に排泄されるため、過剰症は認めにくい。

ビタミンB2(リボフラビン)

・活性型は、フラビンモノヌクレオチド(FMN)およびフラビンアデニンジヌクレオチド(FAD)である。

・FMNおよびFADの重要な作用は、生体内における酸化還元酵素の補酵素としての機能。特にエネルギー産生に関わる電子伝達系酵素に関与する。

欠乏症

・脂漏性皮膚炎

・口角炎

・口内炎

・舌炎

欠乏症の治療

フラビタン 5-45 mg/日 分2 経口(または筋注・静注)

ビタミンB6

・生理作用は、アミノ酸代謝あるいは糖新生において補酵素として働くこと。主にアミノ基転移反応、脱炭酸反応、ラセミ化反応など。

・一般的に欠乏症は頻度が少ないが、薬剤服用(イソニアジド、ペニシラミン、ヒドララジン、経口避妊薬)、アルコール依存症、血液透析では欠乏症をきたしやすい。

欠乏症

・食思不振

・全身倦怠感

・皮膚炎

・口唇炎

・舌炎

・重症例では末梢性ニューロパチー、小球性貧血、アミノ酸代謝異常、乳幼児痙攣

欠乏症の治療

ピドキサール 10-100 mg/日 分2 経口(または筋注・静注)

依存症の治療

ピドキサール 10-500 mg/日 分2 経口(または筋注・静注)

副作用

・大量投与による末梢神経障害が報告されている。症状を認めた場合はVit B6投与を中止

ビタミンB12

・活性型はアデノシルコバラミンおよびメチルコバラミンであり、DNA合成およびミエリン合成に関与する。

原因

・内因子欠乏(萎縮性胃炎、胃切除など)

・吸収障害(回腸切除、吸収不良症候群、アルコール依存症など)

・機能異常(内因子分子機能不全、家族性ビタミンB12吸収不良症候群、先天性トランスコバラミンⅠ欠乏症など)

・薬剤性

欠乏症の治療

メチコバール 0.5-1 mg/日 経口または筋注

ビタミンC(L-アスコルビン酸)

・生理作用は、コラーゲンの合成、コレステロ−ル代謝、薬物代謝酵素反応、ノルアドレナリン合成、カルニチン合成、ホルモン(オキシトシン、バソプレシン、ガストリン、カルシトニンなど)合成、非ヘム鉄吸収に関与する。

欠乏症(=壊血病)の症状

・全身倦怠感

・関節痛

・歯肉の腫脹・出血

・皮膚の点状出血

・症状悪化すると→血便・血尿

・骨形成および歯芽発育の遅延

治療

アスコルビン酸 100-200 mg/日 分1-3 経口

副作用

・大量に服用すると、下痢、悪心などの消化器症状をきたす

ビオチン

・4つのカルボキシラーゼの補酵素として働き、これらの酵素は糖新生、脂質代謝、アミノ酸異化に重要な役割を担う。

原因

・先天性代謝異常症(ホロカルボキシラーゼ合成酵素欠損症、ビオチニダーゼ欠損症)

・特殊調整乳による低ビオチン摂取

・ビオチン含有の少ない長期栄養管理(経腸・静脈栄養)

・極端な生鶏卵摂取

・抗てんかん薬の内服

欠乏症の症状

・皮膚乾燥、びらん、発赤

・進行すると難治性おむつ皮膚炎、眼瞼・口唇のびらんおよび紅斑、脱毛、発育障害

治療

ビオチン散 0.5-2 mg/日 分1-3 経口

ビオチン注 0.5-2 mg/日 静注・筋注・皮下注

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