【小児科医blog:薬剤, 睡眠】睡眠障害(不眠障害)の薬物療法 | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:薬剤, 睡眠】睡眠障害(不眠障害)の薬物療法

薬剤

総論

・乳幼児で睡眠開始と持続がうまくいかない行動不眠では、正常な睡眠パターンと適切な睡眠衛生が築かれていないことが多く、午前中に活動性を高め、日光を十分に浴びて。夜入眠前に覚醒刺激となる強い刺激(光・音・触覚)を与えず、朝まで静かで適切な状態を保つことが重要。

適切な睡眠衛生

A. 睡眠不足のない早寝早起き、毎日一定の睡眠覚醒リズム

B. 移行対象(指しゃぶり、おしゃぶり、その後ぬいぐるみなど)の使用を含めた適切な睡眠習慣(就寝前に入床させ夜間ぐずっても。すぐに抱き上げず覚醒後にあやす)

C. 適切な寝室の睡眠環境(昼間暗くせず、夜暗くするなど)

睡眠衛生指導の原則

  1. 規則的な睡眠スケジュール
  2. 日中日光浴
  3. 屋外日中の定期的運動
  4. 幼児期以降の遅く長い昼寝を避ける
  5. 寝る前の特に寝室・ベッドでの勉強・電子機器使用を避ける
  6. 就寝前の静かで穏やかな活動
  7. 就床3-4時間前のカフェインは避ける
  8. 規則正しい食生活
  9. 就床前20-30分間の決まった習慣
  10. 気持ちがよく快適で、静かで暗い寝室の環境

年齢ごとの病態

・月齢、年齢ごとの不眠障害の対応

乳幼児期

寝ない場合:不適切な睡眠衛生、入眠時関連型行動不眠、特発性不眠、神経発達症、慢性身体疾患など

夕方泣く:コリック、ぐずり、夜泣き

小児期早期

寝ない場合:不適切な睡眠衛生、行動不眠、特発性不眠、神経発達症、慢性身体疾患、夜型概日リズム睡眠-覚醒障害、睡眠関連てんかんなど

睡眠中の行動異常:NREM睡眠時随伴症、むずむず脚症候群、周期性四肢運動障害、睡眠関連てんかん、REM睡眠行動障害、睡眠関連呼吸障害、睡眠時歯軋りなど

学童期以降

眠らない・眠れない:不適切な睡眠衛生、特発性不眠、精神生理性不眠、慢性疲労症候群、統合失調症、不安障害、うつ病、発達性トラウマ障害、睡眠関連てんかんなど

起きない場合:不適切な睡眠衛生、睡眠不足症候群、起立性調節障害、特発性過眠症、不登校など

入眠困難への薬物療法

・あくまで非薬物療法(適切な睡眠衛生の導入など)が無効な場合に薬物療法を行う。

・基本眠前に内服する。

メラトニン(メラトベル®)

・ASD特性のある児に有効。

・就寝時間の30-60分前に投与する。遅くなると睡眠相が後退する。

・開始直後数日は、朝起きにくい起床困難や頭痛が出現することがある。しかし数日で改善することが多い。

処方例:メラトベル 0.3-4mg/回  分1 眠前

ラメルテオン(ロゼレム®)

・メラトニン受容体作動薬

・神経発達障害のある場合には、メラトニンを第一選択とするほうが望ましい。

・食事時、食直後は避ける

処方例:ロゼレム 2-8mg/回  分1 眠前

スボレキサント(ベルソムラ®):オレキシン受容体系

・オレキシン受容体拮抗薬

・副作用として傾眠、逆に不眠、悪夢も比較的多い。

・抗真菌薬、クラリスロマイシンなどCYP3Aを強く阻害する薬剤とは併用禁忌

処方例:ベルソムラ 10-20mg/回  分1 眠前

中途覚醒

リスペリドン(リスパダール®):セロトニン・ドパミンアンタゴニスト

・少量より開始し、中途覚醒の消失の程度や日中の眠気や倦怠感など副作用を確認しながら漸増する。

処方例:リスパダール 0.01-0.2mg/kg/日  分1 眠前

アリピプラゾール(エビリファイ®):ドパミン部分作動薬

・リスペリドンでは耐糖能異常や肥満、高プロラクチン血症に留意する。

・リスペリドンで改善しない例、副作用が強く出る場合にはアリピプラゾールに変更する。

・概日リズム障害に効果的。

処方例:エビリファイ 0.5-3mg/日  分1 眠前

クロニジン(カタプレス®)

・α2受容体作動薬による脳の覚醒度低下、鎮静作用の他、副次的に成長ホルモン分泌促進効果もある。

処方例:カタプレス 75μg  0.5-1錠 分1 眠前

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