・今回は、急性脳症の治療方法についてまとめます。
・以前、小児の脳炎・脳症についてブログに記載したので、下記に示します。脳症の分類などについてまとめています。
治療総論
・原因が不明の場合、主に高サイトカイン血症が発症のベースにあると想定した治療方針であり、抗炎症作用、神経細胞の保護を期待して行われる。
・一方、いずれも高いエビデンスが示されていない、治療方針の限界と生じうる副作用について患者家族に十分説明し、実施の同意を得る必要がある。
支持療法:全身状態の管理
①心肺機能の安定化
呼吸管理
・SpO2 95%を目標とする。
・過換気を避ける(PaCO2は35-45mmHgを保つ)
循環管理
・ショックの予防を行う。ショック時は外液輸液、ドパミン5μg/kg/min、持続静注
・血圧はsBP≧70+年齢×2mmHg
・低Na血症に注意。むしろ脳圧効果作用を期待し高Na血症(150-160mEq/L)に保つ
②中枢神経系
・頭蓋内圧亢進に対する治療を行う。
D-マンニトール:0.5-1g/kg/dose, 15-30分で静注。1日3-6回(6qhrで4回/日くらい)
処方例:20%マンニトールで2.5-5mL/kg/dose, 1日4回
③体温の管理
・40度を超える場合は積極的な解熱を。
・アセトアミノフェン10mg/kg/回 1日4回くらい(37.5度こえたくらいで良い)
急性脳症に対する特異的治療
①ステロイドパルス療法
処方例:メチルプレドニゾロン 30mg/kg/day 1日1回、2時間かけて静注、3日間。(1日最大1g)
・血圧の上昇、血糖値上昇、治療開始前と終了後の眼圧の確認が必要。
・投与により凝固能が亢進するため、血栓形成予防の目的でパルス療法終了翌日までヘパリン化を行う
<ヘパリン化>
処方例:ヘパリン100-150 IU/kg/day 持続点滴静注(メインに混ぜて)を併用。
②γグロブリン大量療法
処方例:献血ヴェノグロブリンIH®️ 1g/kg/day 1回、10-15時間かけて静注。
・アナフィラキシーを生じることがあるので投与は少量からはじめる。
・IgA欠損症ではショックを生じることがあるので、投与前に血清免疫グロブリン濃度の測定を行う。
急性脳症に対する特殊治療
①脳低体温療法
・目標体温:34-35℃、72時間、復温は0.5-0.8℃/日のペースで。
・凝固能の低下、血小板減少、感染症の合併に注意。
②血漿交換療法
・1日1回、3日間
③シクロスポリン(サンディミュン®️)
用量:0.5(-2)mg/kg/日、7日間、持続点滴
※血中濃度は100 ng/mL(200)を超えない
④アンチトロンビンⅢ大量療法
処方例:アンチトロンビンⅢ(アンスロビン®️):250単位/kg/日、5日間
・AT活性が70%以下の時に考慮。120-150%を維持。
⑤フリーラジカル消去剤
処方例:エダラボン(ラジカット®️):0.5mg/kg/回、1日2回、30分で静注。2日間以上(-14日間)
・腎機能障害がある場合は慎重投与。



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