【小児科医Blog:呼吸器, 腫瘍】小児がん患者の間質性肺炎 | ゆるっと小児科医ブログ
PR

【小児科医Blog:呼吸器, 腫瘍】小児がん患者の間質性肺炎

呼吸器
Screenshot

総論

・ニューモシスチス肺炎(Pneumocystis jiroveciiによる)や、サイトメガロウイルス肺炎(CMV: cytomegalovirusによる)が主な原因。

・病初期には咳嗽はないか軽度で、易疲労感、多呼吸のみが症状であることも多い。

・ST合剤の内服が確実にできていたかを必ず確認すること(できていない場合、ニューモシスチス肺炎のことが多い)

・混合感染を起こすこともあり、要注意。好中球減少時は真菌、それ以外の時はP.jiroveciiまたはCMVのことが多い。

検査

胸部単純レントゲン、胸部CT

・典型的には両側びまん性すりガラス陰影を呈する

・臨床的に疑わえる場合、レントゲンでの肺炎所見が乏しくてもCT検査を行うこと

動脈血液ガス

・20mmHg以上のPaO2低下、PaCO2の上昇(初期には低下する)

CMV関連

・血性抗体価

・抗原血症(C7-HRP法 or C10/11法)

・DNA-PCR

インフルエンザウイルス、RSウイルス迅速検査

・周囲に流行性がある場合に行う

真菌関連検査

・β-Dグルカン:P.jiroveciiの診断に有用で、感度90%以上という報告がある。ただし、ムコールを除く多くの真菌感染症でも陽性となること、値が病勢と相関しないことにも注意。

・カンジダマンナン抗原

・アスペルギルス抗原

・クリプトコッカス抗原

その他

気管支肺胞洗浄液(BALF)、誘発喀痰で確認→P.jiroveciiの確認に有用(Diff-Quik染色、Giemsa染色、Grocott染色)

治療

・原因により治療法が異なる。

・好中球減少時には抗菌薬も併用する。

ニューモシスチス肺炎

・ST合剤:0.25錠/kg/日(顆粒の場合0.25g/kg/日) 分3-4 経口投与 連日に増量

CMV肺炎

・ガンシクロビル(GCV) 5mg/kg/回 1日2回 点滴静注

・ガンマグロブリン製剤 100-150 mg/kg/日 3日間

真菌性肺炎

・ボリコナゾール(VRCZ) 初日6mg/kg 1日2回、以後3-4mg/kgを1日2回

・リボソ‐マルアムホテリシンB(L-AMB) 2.5-5mg/kg  1日1回

ステロイド療法

・重症のニューモシスチス肺炎や薬剤性間質性肺炎の可能性が否定できない場合、ウイルス感染などで急激に呼吸困難が進行する場合には考慮する。呼吸不全が重症であればステロイドパルスも考慮。

実際の治療方針

・実臨床上は、間質性肺炎と診断できても病原体が判明するまで時間を要する、もしくは特定できないこともあるので、抗菌薬の開始/変更+ST合剤の増量+抗真菌薬(VRCZまたはL-AMB)±GCVで治療を開始する場合もある。

コメント

タイトルとURLをコピーしました
google.com, pub-9029171507170633, DIRECT, f08c47fec0942fa0