【小児科医blog:感染症, 耳鼻咽喉科】急性中耳炎(AOM)について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:感染症, 耳鼻咽喉科】急性中耳炎(AOM)について

感染症

acute otitis media : AOM

総論

・中耳炎は3歳までに80%が罹患。6歳までに40%が3回以上罹患する。

 →頻度はとても高い!

・気道感染では、耳をちゃんと見る必要あり(気道感染症との合併が多いため

・耳痛を訴えるのは50-60%なので、症状での区別は難しい。

・放って置くと、難聴、乳突蜂巣炎、迷路炎、顔面神経麻痺を起こす場合もある。

典型的な経過

・感冒に罹患していた小児が1週間以内に耳を痛がり、発熱する。

・喋れない年齢では、耳を引っ張る、擦る、触る(ear tugging, rubbing, holding)などの症状

機序

①ウイルスが咽頭・喉頭から耳管に入る、耳管粘膜腫脹、中耳と鼻咽頭との交通が遮断

②ウイルスが粘液産生増加させる。

③中耳腔内が液体で充満し、ウイルス・細菌のドレナージができなくなる

④水があるので細菌感染し、中耳炎に!

診察

準備:耳鏡検査に使用するスペキュラは大きめのものを選択。視野を確保しやすい。また細いと下記のように骨性外耳道にあたり痛い。

・3歳以上は外側上方に引っ張り、3歳未満は外側下方にひっぱる

・外耳の奥2/3は骨性外耳道なので皮膚が薄く痛い。耳鏡をいれすぎない。

Q.耳垢が多い。どうする?

・細い綿棒に水をつけてこすり取ると、耳垢を取り除ける。

→ひどいときは真珠種がかくれてたりするので、耳鼻科にコンサルトor紹介

Q.患児が協力的でない(あたりまえだが…)、どうする?

・児によっては、診察前にやることを簡単に予行演習すると大人しくしてくれる場合あり(ただしある程度大きい子供に限る)

・保護者の胸に観察側と反対の耳を置き、手足を介助者に保持してもらう。

診断基準

・中等度〜高度の鼓膜膨隆、あるいは急性外耳道炎によらない耳漏が認められる。

・軽度の鼓膜膨隆および急性(48時間以内)に発症した耳痛(耳を触る、引っ張る、擦る)ないし激しい鼓膜発赤がある

※鼓膜膨隆はAOM診断の特異度が非常に高い検査である(感度51%, 特異度97%)、細菌性AOMとの関連も高い。1歳未満では鼓膜発赤を認めず膨隆のみの場合もある。

※鼓膜は通常灰白色〜ピンク色である。発熱・啼泣のみでも軽度の発赤は起こるので注意。

治療

・米国のガイドラインでは、①耳漏がある場合、②重症の場合、③6ヶ月〜2歳で両側の場合に抗菌薬投与を行うとされている。

・治療開始24時間以内は悪化の可能性があるが、多くは24時間以降に改善しはじめ、72時間以内には改善する。

抗菌薬選択

・治療のターゲットは、S. pneumoniaeとNTHi(non-typable Haemophilus influenzae)

1st line:AMPC 80-90 mg/kg/day 分3-4

2nd-line:ST合剤(トリメトプリムとして) 10 mg/kg/day 分2

※アモキシシリンは中耳腔貯留液へ血中の1/5~1/3程度、ST合剤は1/2程度の濃度になる。

投与期間:AAPガイドライン参照

2歳未満:10日

2-7歳:7-10日(重症度に応じて)

投与期間:感染症のトリセツ参照

2歳未満:10日間

2-5歳:7-10日間

6歳以上:5-7日間

耳鼻科コンサルトのタイミング

・チューブ挿入が必要な場合

  6か月で3エピソード

  前の6か月で1エピソードかつ1年で4エピソードのケース

・切開が必要な場合

・抗菌薬の効果なしの場合

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