【小児科医blog:児童精神・発達】発達検査・知能検査について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:児童精神・発達】発達検査・知能検査について

児童精神・発達

Intro

・児童精神科や発達外来では、発達検査(発達指数:DQ)や知能検査(知能指数:IQ)を行います

知能検査

・田中ビネー知能検査:2歳からOK。2~13歳対象。精神年齢(MA)からIQを算出し、14歳以上ではDIQ

(偏差知能指数)を算出する。

・WISC(Wechsler Intelligence Scale of Children):5歳0ヶ月から16歳11ヶ月まで

・WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale):16歳から

・WPSSI:3~7歳を対象。上記と同じくWechsler式知能検査

発達検査

・新版K式発達検査:0歳から成人まで

・遠城寺発達検査:〜4歳8ヶ月まで

・津守・稲毛式発達検査

・Denver発達検査

これから、各検査の特徴をまとめます。

田中ビネー知能検査

・対象年齢:2歳から成人まで

・14歳未満は知能指数として精神年齢mental age(MA)を生活年齢chronological age(CA)で割って算出する比率IQ方式を採用している。

・知能を注意・想像・推理・判断などの様々な知能活動の基盤となる一般知能と捉えている。

注意点

・知能のもつ細かな内容を把握しにくい

・WISC-Ⅳと比べて若干IQが高くなる傾向あり

WISC-Ⅳ

・対象年齢:5歳0ヶ月〜16歳11ヶ月

・知能検査の中ではよく用いられている

・全検査IQの他に、以下の4つの指標で構成されている。これは、Wechslerが知能を「個人が一定の目標を持って行動したり、合理的に考えたり、周囲と有効な関係をもったりできる総体的な能力」や、環境への適応能力など、様々な能力が統合されたものをして捉えていたことにしている。

言語理解指標verbal comprehension index(VCI)

・言語形成概念

・言語的理解

・結晶性知能:学習の結果身につけたものや、特別な経験の結果学んだもの

知覚推理指標perceptual reasoning index(PRI)

・視知覚、視覚統合

・同時処理

・視覚運動協応

ワーキングメモリー指標working memory index(WMI)

・作業などを遂行しながら注意力や集中力を保ち、短期記憶に情報を保持する力

処理速度processing speed index(PSI)

・単純かつ習慣的情報に対する処理能力

・2021年にWISC-ⅣからWISC-Ⅴへの改訂がされている。全検査IQ(FSIQ)と5つの主要指標得点で知能を表すようになった。

・また、5つの補助指標得点や学習障害のアセスメントなどに用いることができる指標得点が用意されている。

新版K式式発達検査

・対象年齢が幅広く、0歳から成人まで適用できる。児童精神科領域では乳幼児および発達の遅れが疑われる児童に用いられる。

・全体の発達指数developmental quotient (DQ)に加えて、「姿勢・運動」、「認知・適応」、「言語・社会」の3領域の課題を実際に子供が行うことで評価する。

・発達年齢(DA)、発達指数(DQ)を計算できる。

注意点

・よく発達の凹凸がある子のことを発達障害と言われることがあるが、発達検査の各領域項目の数値に差があるから凹凸があると評価することは行ってはいけない。つまり、発達検査の項目の数値だけみて、発達障害と診断することはできない。

・知能検査は検査の数値以上に、検査における行動観察などの質的情報が重要となるので、心理職などの検査結果のアセスメントを重要性すべきである。

ASDの検査

・ASD:autism spectrum disoreder(自閉スペクトラム症)

スクリーニングのため:M-CAHT、AQ、PARS−TR

評価のため:PARS-TR

M-CAHT

・ASDの早期発見のスクリーニングツールの一つ

・2歳前後の幼児に用いる

・陽性の場合、第二段階のスクリーニングが必要

AQ

・50 項目の質問紙からなり、ASD特性が強いほど総得点は高くなる

・簡単に行えるが、不安やうつ状態などの影響も受けやすい

PARS-TR

・半構造化面接法で、発達早期と現在の状態の評価のために用いることもできる

・カットオフポイントも設定されており、スクリーニングにも使用できる

・親と面接をすることから、事例を振り返りながら現在と過去の発達を確認することができる。

・時間はかかるが、親御さんと一緒に子供の発達特性を確認しながら、そして共有できるというメリットがある。

ADHDの検査

ADHD:attention-deficit/hyperactivity disorder(注意欠如・多動症)

・ADHD-RSとConnersが有名

ADHD-RS

・ADHDのスクリーニングや治療効果の判定に用いられるツール

・家族版と学校版が用意されているので、学校の先生にも記入してもらう必要あり

・項目はDSMの診断基準がもとになっている

Conners3(日本語版)

・ADHDの中核的な特性に加えて、それと関連する学習や実行機能、挑戦性/攻撃性や友人/家族関係から併存することが多い不安や抑うつまでも評価できる

・2017年にDSM-5に準拠した最新版が出ている

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