「首が傾いたまま動かない…」
という小児のうち、髄膜炎や深部膿瘍などの緊急疾患以外のうち、環軸関節(頚椎の上から1つ目と2つ目)の重なりかたの異常・脱臼によって首が傾いてしまっている場合があります。多く見るわけではありませんが、まとめてみます。

1. Down症候群
Down症候群の小児の60%程度に、靭帯の過伸展性を原因とする環椎後頭関節・環軸関節の過可動性や不安定性が認められる。これらの小児では、頸髄損傷のリスクが上昇する。患者は無症状のこともあれば、緩徐に進行する頚部痛、不器用さや転倒頻度の増加、筋緊張の変化、筋力低下、感覚異常、膀胱直腸障害などの神経学的症状を呈することもある。
Down症候群の患者に対して頸髄 損傷のリスクが上昇する可能性のある特定の運動に参加する前には、頸椎画像検査を受けることが推奨される。
そのような状況下でなければ、無症状のDown症候群の患者に対するルーチンの頸椎画像検査は推奨されていない。
2. Grisel症候群
Grisel症候群は、ほかに亜脱臼のリスク(Down症候群、結合組織異常、リウマチ疾患)がない小児にまれに起こる軽度の環軸関節亜脱臼である、外傷の病歴が認められない疾患である。炎症(咽頭痛や上気道感染)によるものとされており、環軸関節靭帯の弛緩性が原因とされている。
3. 環軸椎回旋位固定(AARF)
上気道感染、頸部炎症性疾患(頸部リンパ節炎、川崎病など)、軽微な外傷などが誘引となって環椎が軸椎に対して回旋した状態で固定される疾患を環軸椎回旋位固定(AARF:atlantoaxial rotatoly fixation)と呼ぶ。脊髄圧迫症状を呈することは稀で、Cook-robin positionと呼ばれる特徴的な斜頸を呈する。Grisel症候群とは、AARFのうち上気道感染症後に発症するものを指す。
4. ほかの原因
ほかの原因としては、まれな先天性疾患(Marfan症候群、Klippel-Feil症候群、歯突起形成不全症)がある。


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