作品について
私が高校生の時、医師になろうと思ったきっかけの1冊なので、紹介1冊目に。
この本は、私が紹介するまでもなく、
2011年8月27日、全国東宝系にて映画公開 第十回 小学館 文庫小説賞受賞、2010年本屋大賞 第2位
という超超有名作です。
内容については読んでいただくのが一番よいのですが、とにかく医師にとって最も重要なことは何なのかということを考えさせられます。
感想
私も医学部で6年間勉強し、臨床実習も経験しましたが、主人公の栗原一止先生のように患者に対して真摯に向き合っている医師がどれだけ実際にいるかと言えば、少ないのではないかというのが個人の思いです。
作中では仏師が仁王像を彫る話がでてきますが、
「あれは木に仁王を彫りこむんじゃない。最初から木の中に仁王が埋まっているのを掘り出すだけだから、容易なものなのだ」
という1文があり、これを医師の仕事になぞらえています。
『治療を医師がする』のではなく、『治療を患者と一緒にしていく』という意識を忘れずにいたいですね。
また、この本のよい所は、心がほっとする優しい物語であること。
栗原先生の妻であるハルさんをはじめ、この物語にでてくる人たちは優しい人たちばかりです。
それぞれ個人の問題を抱えながらも、周囲の人たちと支え合って生きていく姿を見ると、こんな風に生きていきたいなあいう思いになります。
「笑うものあれば笑うがいい。貴君は常に前進してきたのだ。我々がその証人だ」
「命より大事なものを救われた」
『思えば人生なるものは、特別な技術やら才能やらをもって魔法のように作り出すものではない。人が生まれ落ちたその足下の土くれの下に、最初から埋もれているようなものではなかろうか。』
一つ一つの言葉について改めて考え直しながら、医師になるまでの短い期間、有意義に過ごしていきたいなと思います。
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