【小児科blog:眼科】小児の結膜炎について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科blog:眼科】小児の結膜炎について

小児

Introduction

「目が赤く腫れてかゆがっているんです、大丈夫でしょうか?」

今回は子供の結膜炎についてまとめていきます。

アデノウイルス結膜炎

咽頭結膜熱

・別名「プール熱」夏季に多い。発熱を伴う咽頭炎から発症し、結膜充血や流涙などを伴う濾胞性結膜炎を生じる。

・アデノウイルス3, 7, 11型などの「B種」と呼ばれる血清型が原因で多い。

流行性角結膜炎

・症状は眼瞼浮腫、流涙、耳前リンパ節腫脹など

・急性の濾胞性結膜炎、角膜上皮下混濁(長期に持続すると羞明・視力低下となることも)、耳前リンパ節腫脹など生じる。

・8, 19, 37型など「D種」の血清型が原因で多い。

・細菌感染を併発することがある。

・予防は接触感染予防が基本で、タオルや点眼液など目に接触するものは個人用にすること

治療

治療には、抗菌薬とステロイド薬を使用します。何をどの順番で使うのかは下記のフローチャート参照です。

抗菌薬:重症感染予防

・フルオロキノロン系(=クラビット®️)

・セフェム系(=ベストロン®️)

ステロイド:角膜上皮下混濁

(=リンデロン®️、フルメトロン®️)

ステロイド点眼の注意点

禁忌:アレルギーの既往あり、角膜上皮剥離、角膜潰瘍の患者

副作用:眼圧上昇(1週間以上の治療では注意が必要)

用法用量:通常1回1-2滴、1日2-4回点眼。

リンデロン→効果は強い分、眼圧上昇などの副作用も多い。

フルメトロン→副作用は少ないが効果も弱い。

アレルギー性結膜疾患(ACD)

症状

眼の掻痒感、結膜の充血。重症化すると、結膜の浮腫、蛋白性の眼脂、眼瞼裏の乳頭増殖による異物感や反応性の流涙があり。

診断

・日本眼科学会「アレルギー性結膜疾患診療ガイドライン(第2版)」参照です。

A:臨床症状(アレルギー検査所見、組織所見)

B:Ⅰ型アレルギー素因(血清抗原特異的IgE抗体陽性、または推定される抗原と一致)

C:結膜でのⅠ型アレルギー反応あり(結膜擦過物中の好酸球陽性)

Aのみ(臨床診断)、A+B(準確定)、A+B+C or A+C(確定診断)

ACD:allergic conjunctivitis disease

病態

外来抗原が結膜に曝露されることによって生じる結膜の即時型反応。

定義

・Ⅰ型アレルギーが関与する結膜の炎症性疾患で、何らかの自他覚症状を伴うもの。

アレルギー性結膜疾患の病型

①アレルギー性結膜炎(季節性・通年性)

②アトピー性角結膜炎

③春季カタル

④巨大乳頭結膜炎

①アレルギー性結膜炎:AC  (季節性・通年性)

ACDのうち、結膜に増殖性変化がみられないものをACと呼ぶ。

季節性(seasonal AC : SAC)

・原因抗原は花粉などを主体とした屋外抗原。

通年性(perennial AC : PAC)

・原因抗原はハウスダスト、ダニ、ネコやイヌなどの動物の皮膚上皮および鱗屑などを主体とした屋内抗原。

②アトピー性角結膜炎(atopic keratoconjunctivitis : AKC)

・眼部アトピー性皮膚炎に合併して生じる慢性のACDをAKCと呼ぶ。

・症状は通年性で、慢性的な眼掻痒感、流涙、眼脂など。

・通常のACでは見かけることの少ない、眼瞼結膜の乳頭や角膜輪部における増殖変化や角膜上皮障害を伴う。

・結膜組織や眼瞼皮膚組織が分厚くなり、感染や眼瞼皮膚炎を繰り返す症例もある。

③春季カタル(vernal keratoconjunctivitis : VKC)

眼瞼結膜の乳頭増殖、増大や角膜に接する輪部結膜の腫脹や隆起などの増殖性変化を伴い、春から夏に悪化する重症ACをVKCと呼ぶ。

・VKCの多くにアトピー性皮膚炎を合併しており、眼瞼結膜の乳頭増殖が強いと角膜プラーク、遷延性の角膜上皮欠損が生じる。

・原因の多くは屋内アレルゲンだが、屋外抗原含めた多種抗原にも反応する。

④巨大乳頭結膜炎(giant papillary conjunctivitis : GPC)

コンタクトレンズなどの異物に伴う機械的刺激により上眼瞼結膜に生じる、乳頭増殖を伴う結膜炎をGPCと呼ぶ。コンタクト使用をやめると改善する。Ⅰ型アレルギーの関与ははっきりせず、特異的IgE抗体の陽性率・結膜好酸球も少ない。

・GPCはVKCと増殖性変化という点で類似しているが、GPCによる乳頭増殖は1mm以上の巨大乳頭に成長すること、巨大乳頭があるにもかかわらず角膜病変を伴うことがない点が異なる。

発症機序

①抗原が結膜上皮から侵入

②血管周囲に存在するマスト細胞のIgE抗体と結合する。

③マスト細胞からヒスタミンを中心とした化学伝達物質が放出される。知覚神経の

神経終末に局在するH1受容体に結合すると眼の掻痒感、血管のH1受容体に結合すると結膜充血を生じる。

以上です、おつかれ様でした。

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