【小児科医が解説】「もう限界…」赤ちゃんが夜中に何度も起きる理由と、今夜から試せる『ねんね改善』5つのステップ | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医が解説】「もう限界…」赤ちゃんが夜中に何度も起きる理由と、今夜から試せる『ねんね改善』5つのステップ

子育て
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こんにちは!小児科医りんご🍎です。

毎日、育児本当にお疲れ様です。今、この記事を読んでくださっているあなたは、きっと赤ちゃんが寝なくて、「眠い」「つらい」「いつまで続くの?」という気持ちでいっぱいではないでしょうか。

夜中に何度も起こされると、体力的にはもちろん、精神的にも削られますよね。「私の寝かしつけが悪いのかな?」と自分を責めてしまう方もいますが、決してそんなことはありません。

今回は、なぜ赤ちゃんは夜中に起きるのかという医学的な理由と、今日から実践できる具体的な対処法について解説します。


そもそも、なぜ赤ちゃんは起きるの?

まず知っておいてほしいのは、「赤ちゃんの睡眠の仕組みは、大人とは異なる」ということです。

1. 睡眠サイクルが短い

大人の睡眠サイクル(浅い眠り⇔深い眠り)は約90分ですが、赤ちゃんは40分〜60分と非常に短いです。つまり、1時間に1回は「目が覚めやすいタイミング」が訪れているのです。

ちなみに、生後1~2ヶ月は睡眠覚醒リズムはウルトラディアンリズムとなり3時間ごとの授乳ですが、生後3~4ヶ月ごろには、概ね二相性のリズム(朝起きて夜寝る)が整い始め、乳児期中期には離乳食が始まり昼間に食べることを覚え、消化管活動や様々な自律神経系のリズムは昼間に活動するように発達するそうです。そうなれば、夜間の授乳頻度も減ってきます。

2. 「レム睡眠(浅い眠り)」が多い

赤ちゃんは脳を発達させるために、浅い眠りである「レム睡眠」の割合が大人よりも多いのが特徴です。そのため、少しの物音や気温の変化、空腹感ですぐに覚醒してしまいます。

小児科医からのメッセージ 赤ちゃんが起きるのは、脳が正常に発達している証拠でもあります。「育て方のせい」ではなく「脳の仕組みのせい」と割り切ることから始めましょう。


まず確認!「不快感」を取り除く基本チェックリスト

ねかしつけテクニックの話をする前に….

赤ちゃんが「眠れない物理的な理由」がないかを確認しましょう。

  • 室温・服装は適切?
    • 大人が「少し肌寒いかな?」と思うくらいが適温です。背中を触って汗ばんでいたら暑すぎます。(目安:冬は20〜22℃、夏は25〜27℃前後)
  • お腹は空いていない?逆に頻回に授乳しすぎていない?
    • 特に急成長期(メンタルリープなど)は、夜間の授乳回数が増えることがあります。
    • しかし、夜なきの度、毎回授乳をしている場合は、あげすぎかもしれません。例えば、一晩に3~4回以上授乳しているのは、新生児期のリズムであり、乳児期後期では異常なリズムでしょう。あくまで「やめるのではなく、頻度を減らす」です。
  • おむつは汚れていない?
  • 体調は悪くない?
    • 鼻詰まりがある、発熱している、中耳炎で耳を気にしている様子はないか確認してください。

これらがクリアできているのに起きてしまう場合は、以下の「ねんね改善ステップ」を試してみましょう。


今夜からできる!「ねんね改善」5つのステップ

睡眠環境とリズムを整えることで、夜泣きや夜間覚醒は徐々に改善します。

ステップ1:朝日を浴びて「体内時計」をリセット

人間の体は、朝日を浴びてから14〜15時間後に眠くなるホルモン(メラトニン)が分泌されます。

  • 朝7時までにはカーテンを開け、部屋を明るくしましょう。たまに朝8~9時に起きて、夜眠るのが遅いんですと相談されることもありますが、それはそうです。夜眠っていないから可哀想と思う場合もあるかもしれませんが、朝起こさないと体内時計が正常に育つことができず、その方が可哀想なのです。大人と子供は違う、ということをしっかり認識しましょう。
  • 日中は活動的に過ごし、適度な疲れを作ってあげることも大切です。良質な睡眠とは、朝起きてから夜眠るまでの昼間の活動の「結果」なのです。眠りの質は昼間の活動で決まります。

ステップ2:寝室は「真っ暗」が基本

常夜灯(豆電球)も、赤ちゃんの安眠を妨げることがあります。

  • 遮光カーテンを使い、「自分の手元も見えないくらいの真っ暗」を目指してください。
  • 授乳やおむつ替えが必要なときは、足元の薄暗いライトだけを点け、覚醒させないようにしましょう。

ステップ3:入眠儀式(ルーティン)を決める

「これをしたら寝る時間」という合図を脳に覚えさせます。

  • 例:お風呂 → 肌着を着る → 絵本を1冊読む → 「おやすみ、また明日ね」と言って消灯。
  • 毎日同じ順番で行うことが重要です。

ステップ4:ホワイトノイズを活用する

お腹の中にいた時の音に似ている「ザーー」という砂嵐のような音(ホワイトノイズ)や、波の音は、赤ちゃんを安心させ、周囲の生活音をかき消す効果があります。専用のマシンやスマホアプリを活用してみてください。

ステップ5:「寝落ち」の直前にベッドに置く(最重要!)

ここが一番の難関ですが、最も効果的です。 抱っこで完全に寝かせてから置くと、ふと目が覚めた時に「あれ?抱っこじゃない!」とパニックになって泣いてしまいます。

  • 「うとうとしているけれど、まだ起きている」状態でベッドに置きます。
  • 最初は泣きますが、トントンや声掛けで安心させ、「自分の力で寝入る練習」を少しずつさせてあげましょう。

医学的なポイント

上記のようなことを工夫してみても改善しない場合、医学的な介入や対処が必要な場合もあります。ぜひ小児科に相談してみて下さい。下記に、寝付きが悪い医学的な原因の一例を挙げます。

鉄欠乏状態である

・中途覚醒の多い乳幼児は、フェリチン(鉄の貯金のような物質)が低値であるとの報告があります。この場合、鉄剤の投与で改善する場合があります。

・鉄は、アミン系神経の補酵素であり、髄鞘化の促進など中枢神経系の発達に重要な栄養素なのです。少量でも投与を試みても良いでしょう。

背景:アミン系神経の問題

・その子の神経系の基礎状態として、アミン系神経に特徴がある疾患(自閉スペクトラム症など)が背景にあると、眠りにくいということもあります。

・色々と工夫をしてみて、鉄剤内服をしても改善なし。また、何か眠り以外にも発達面で気になることがある、等の場合は、精神発達を専門とした小児科医に相談する、地域の子育て支援施設に相談してみるのも、一つの方法でしょう。


ママ・パパのメンタルを守るために

最後に、一番大切なのは親御さんの健康です。

  • 「とりあえず3分待つ」
    • 赤ちゃんが泣き出しても、すぐに抱き上げず、安全を確認した上で2〜3分見守ってみてください。実は「寝言泣き」で、そのまま自力で再入眠できることもあります。
  • 交代制にする
    • 週末だけでも、夜間の対応をパートナーに任せて、別室で耳栓をして寝てください。まとまった睡眠は、正常な判断力を取り戻すために不可欠です。

まとめ

  1. 赤ちゃんが起きるのは脳の仕組み。あなたのせいじゃない。
  2. 寝室は「真っ暗」+「ホワイトノイズ」がおすすめ。
  3. 朝日を浴びてリズムを作り、寝落ち直前にベッドへ。

「いつか必ず、朝までぐっすり眠れる日は来ます」。それは明日ではないかもしれませんが、その日は確実に近づいています。 今日は洗い物をそのままにして、少しでも体を休めてくださいね。

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