こんにちは!小児科医で、自身も子育てに奮闘している育児ブロガーの小児科医りんご🍎です。毎日のお子さんのお世話、本当にお疲れ様です!
健診や日々の抱っこの中で、
「うちの子、ちょっと頭の形がいびつかも?」
「後頭部がぺったんこ(絶壁)になっている気がする…」
と不安になること、ありますよね。
今回は、「赤ちゃんの頭の形は自然に治るのか」「ヘルメット治療を検討する基準」「おうちでできるタミータイム(うつぶせ遊び)のコツ」について、小児科医の視点から解説します。
なぜ赤ちゃんの頭は「絶壁」になりやすいの?
赤ちゃんの頭蓋骨は、お産を通るために、そしてその後の急激な脳の成長に対応するために、いくつかの骨のパーツに分かれており、非常に柔らかくできています。
現在、乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防するため、「赤ちゃんは仰向けで寝かせる」ことが世界的に強く推奨されています。
これは命を守るために絶対に守るべきルールですが、その反面、同じ方向ばかりを向いて寝ていたり、長時間仰向けの状態でいたりすると、柔らかい頭の骨に圧力がかかり、平らになってしまうのです。
これを医学的には「位置的頭蓋変形(斜頭症・短頭症)」と呼びます。
「放っておけば自然に治る」は本当?
結論から言うと、「軽度であれば成長とともに目立たなくなることが多いのですが、中等度〜重度の場合は自然に完全に綺麗な丸に戻ることは難しい」のが現実です。
自然に改善しやすいケース
お座りやハイハイが始まり、頭が床に接している時間が減る生後6〜7ヶ月頃から、軽度のゆがみは髪の毛も生え揃うことで目立たなくなっていきます。
注意が必要なケース
向き癖が非常に強い場合や、明らかに左右非対称になっている場合、後頭部が極端に平らな場合は、自然治癒だけでは限界があります。
Point!
頭の変形の中には、稀に「頭蓋骨縫合早期癒合症(ずがいこつほうごうそうきゆごうしょう)」という、骨のつなぎ目が通常より早くくっついてしまう病気が隠れていることがあります。これは自然には治らず専門的な治療が必要です。気になる場合は、まず小児科やかかりつけ医で「病的なものではないか」を診てもらうことが第一歩です。
ヘルメット治療の基準と「ゴールデンタイム」
病的な原因がなく、ゆがみが中等度以上の場合、選択肢に入ってくるのがヘルメット治療(頭蓋形状矯正療法)です。
赤ちゃん一人ひとりの頭に合わせたオーダーメイドのヘルメットを1日約23時間装着し、成長する脳の力に合わせて頭の形を丸く誘導します。
ヘルメット治療を検討する目安と時期
ヘルメット治療には、効果が出やすい「ゴールデンタイム」があります。
開始のベストタイミング: 生後3ヶ月〜生後6ヶ月頃
治療の限界時期: 生後7ヶ月を過ぎると頭の骨が固くなり始め、1歳を過ぎると治療の効果は大きく下がってしまいます。
◾️受診の目安
• 上から見たとき、耳の位置が左右で大きくずれている
• 後頭部が極端に絶壁で、横から見ると頭が縦に長い(あるいは短い)
ヘルメット治療は自費診療となることが多く、費用も高額(数十万円程度)です。また、夏の蒸れ対策などご家族のケアも必要になるため、専門外来で医師としっかり相談して決めることが大切です。
今日からできる!タミータイム(うつぶせ遊び)のコツ
ヘルメット治療をする・しないに関わらず、ご家庭で赤ちゃんの頭の形を守り、運動発達を促すために強くおすすめしたいのが「タミータイム(Tummy Time)」です。
タミー(おなか)を床につけて過ごす時間を作ることで、後頭部への圧力を減らし、首や背中、腕の筋肉を鍛えることができます。
安全で楽しいタミータイムの進め方
退院後、おへそ(へその緒)が乾いたら少しずつ始めてOKです。
◾️基本ルール
必ず赤ちゃんが起きている時、大人が常に見守っている状態で行います。そのまま寝かせてはいけません。ママパパがちょっとでも眠いときはやめた方がいいでしょう。また、見守れる人が2人いる状況が望ましいです。
◾️最初はママ・パパの胸の上で
新生児期やうつぶせに慣れないうちは、大人が少しリクライニングした状態で仰向けになり、その胸の上に赤ちゃんをうつぶせに乗せてみましょう。スキンシップにもなり、赤ちゃんも安心します。
◾️1回数分からスタート
機嫌の良い時を見計らって、1日2〜3回、1回1〜3分程度から始めます。泣いて嫌がったらすぐに仰向けに戻してあげてください。
◾️おもちゃや鏡で気を引く
少し慣れてきたら、硬めのマットやプレイマットの上で行います。目の前にコントラストのはっきりした絵本、音が鳴るおもちゃ、割れない鏡などを置くと、頭を一生懸命上げようと頑張ってくれます。
最後に
赤ちゃんの頭の形について、ネットを検索すると色々な情報があり、不安になってしまうママ・パパも多いと思います。
一人で悩まず、「ちょっと相談してみようかな」くらいの気持ちで、予防接種や健診の際にでも小児科医に声をかけてくださいね。


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