母の食事と母乳の関係
・母親が食べたものは母乳中に出てきます。
・卵や小麦の蛋白は母親の摂取後約2-6時間後から4日後まで母乳中に検出されます。
・これらの母乳中の食物抗原は感作抗原として働くことも、寛容誘導抗原として働くこともあります。しかし、現在アレルギー分野では経腸から抗原暴露されることでアレルギーの発症を予防する報告が牛乳やピーナッツなどで報告されており、少量でも良いので食物の抗原を腸から摂取すると、アレルギー予防に効果的と言われていることを考えると、寛容誘導抗原として母乳も役立つ可能性があります(逆に、湿疹などで荒れた皮膚から抗原に暴露されると感作されてしまい、アレルギーにつながるリスクがあります)。
・また母乳には大量のIgAが含まれており、アレルギーの発症予防に役立ちます。
母乳中のアレルギー予防物質
・先程IgAについて触れましたが、他にも母乳中には様々なサイトカインや成長因子が含まれています。
・IL-4、IL-5、IL-13はTh2サイトカインに属し、アレルギー反応を促進します。これに対して、母乳中に含まれるTGF-βはTh2を抑制することで、Il-4などのサイトカインを抑制します。またTGF-βは制御性T細胞の発達を誘導することでIL-10が産生されますが、IL-10は腸管の免疫調節を行い、免疫寛容の獲得に繋がります。
おまけ:SIDS予防と母乳
・母乳で育つ児は、人工乳で育った児よりも弱い刺激で覚醒しますが、これはSIDS(乳幼児突然死症候群)のリスク低下の一因になります。母乳だけで育てることで微細な刺激でも目を覚まし、環境の変化に対応使用とすることが要因と考えられます。
・夜に人工乳を多めに与えると朝まで寝てくれる…というのは助かる一面もありますが、そもそも生後3ヶ月になると赤ちゃんは睡眠-覚醒のリズムが出ますが、それまでの1-2ヶ月の赤ちゃんは睡眠リズムはしっかりとしていないのが正常です。もちろんお母さんが寝不足で疲れはててしまう場合は夜寝る前に人工乳!というのもありかもしれませんが、もし可能であれば母乳で夜間も対応するのも、生後2ヶ月頃までは良いかもしれません。
参考書籍
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