はじめに
「うちの子、年中鼻をすすっている気がする…」
「朝起きると、いつもくしゃみを連発している」
そんなお悩みはありませんか?
実は、日本の子どもの約3〜4割がアレルギー性鼻炎を持っていると言われています。ただの鼻水と侮ってはいけません。放置すると集中力の低下や睡眠不足を招き、お子さんの健やかな成長を妨げてしまうこともあるのです。
今回は、小児科医の視点で、アレルギー性鼻炎の正体と対策を詳しく紐解いていきます。
アレルギー性鼻炎の「2つのタイプ」
アレルギー性鼻炎には、原因(アレルゲン)によって大きく2つのタイプがあります。
- 季節性アレルギー性鼻炎(いわゆる花粉症)
- スギ(春)、イネ(初夏)、ブタクサ(秋)など、特定の時期に症状が出ます。
- 通年性アレルギー性鼻炎
- ダニ、ハウスダスト、ペットの毛などが原因。一年中症状が続くのが特徴です。
「風邪」との見分け方チェックリスト
「風邪かな?」と思ったら、以下のポイントを確認してみてください。
| 症状 | アレルギー性鼻炎 | 風邪 |
| 鼻水の状態 | サラサラして透明 | 最初は透明だが、後に粘り気が出る |
| くしゃみ | 連続して何度も出る | 単発のことが多い |
| かゆみ | 目や鼻を激しくこする | あまりない |
| 熱・のどの痛み | ほとんどない | 出ることが多い |
| 期間 | 2週間以上続く | 1週間程度で治まる(ことが多い。もちろん場合による) |
お家でできる!「アレルゲン」徹底ガード術
お薬も大切ですが、まずは「敵(アレルゲン)を体内に入れない」ことが基本です。
- 「ダニ・ホコリ」対策(通年性の場合)
- 寝具のケア: 布団乾燥機をかけた後、掃除機で死骸を吸い取るのが最も効果的です。
- カーテン・ぬいぐるみ: 定期的に洗濯し、ホコリが溜まりやすい場所を減らしましょう。
- 「花粉」対策(季節性の場合)
- 玄関でブロック: 帰宅時は服を払ってから家に入る。ツルツルした素材の服を選ぶのも◎。
- 洗顔・うがい: 顔についた花粉を洗い流すだけで、目のかゆみが軽減します。
- 湿度のコントロール
- 湿度が50%以下になるとウイルスが活発になり、逆に60%以上だとダニやカビが繁殖します。湿度50%前後をキープするのが理想です。
治療について
最近では、抗ヒスタミン薬などの対症療法だけでなく「根本から治す」治療も普及しています。それぞれの特徴をまとめます。
- 抗ヒスタミン薬: 飲み薬や点鼻薬で、今の辛い症状を抑えます。
- 舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう):スギやダニが原因の場合、少量の薬を毎日口に含むことで、体をアレルゲンに慣らしていく治療です。5歳以上から検討でき、根治が期待できる画期的な方法です。
医療者向け、SLIT(舌下免疫療法)の詳細
医療者の方向け、また、SLIT (舌下免疫療法)の適応や実際の導入手順などの詳細な医療情報については、下記の過去ブログ記事をご覧下さい
おわりに
アレルギー性鼻炎は、お子さん自身が「これが普通」と思い込んでいて、辛さをうまく言葉にできないことも多い病気です。
もし「集中力が続かない」「口呼吸になっている」といった様子があれば、ぜひお近くの小児科や耳鼻科へ相談してみてください。鼻がスッキリ通るだけで、お子さんの笑顔はもっと輝くはずですよ!



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