【小児科医🍎Blog】大泣きした後に息が止まって白目に!?親がパニックになる『泣き入りひきつけ』の正体と冷静な対応法 | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医🍎Blog】大泣きした後に息が止まって白目に!?親がパニックになる『泣き入りひきつけ』の正体と冷静な対応法

神経
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こんにちは!小児科医りんご🍎です!

毎日、育児と奮闘されているパパ・ママ、本当にお疲れ様です。

小児科医として日々子どもたちを診察していると、顔面蒼白で救急外来に駆け込んでくる親御さんに頻繁に出会います。

「子どもが泣き叫んだと思ったら、急に息が止まって、顔が真っ青になって白目を剥いたんです!大丈夫でしょうか???」

パニックになるお母さんの腕の中では、ニコニコと普段通りの様子のお子さん。

目の前で我が子が息をしていない姿を見れば、パニックになるのは親として当然の反応です。

しかし、必ずしも焦らなくても良いケースがあります。

小児科領域では比較的よく見られる「泣き入りひきつけ(憤怒けいれん)」という症状、知っていますか?

今回は、親御さんを恐怖のどん底に突き落とすこの症状の「正体」と、いざという時に我が子を守る「冷静な対応法」について、解説していきます。


1. そもそも「泣き入りひきつけ」の正体とは?

泣き入りひきつけ(憤怒けいれん:ふんぬけいれん)は、生後6ヶ月〜3歳くらい(特に1〜2歳)のお子さんに多く見られる特有の症状です。

なぜ息が止まり、白目を剥くのか?

子どもが激しく怒ったり、痛がったり、びっくりしたりして「ギャーッ!」と大泣きした直後、息を強く吐き出したまま吸い込めなくなることがあります。すると、次のようなドミノ倒しが体内で起こります。

  1. 無呼吸:息を吐ききった状態で呼吸が止まる。
  2. 低酸素状態:血中の酸素が一時的に減り、顔や唇が青紫になる(チアノーゼ)。
  3. 脳のシャットダウン(失神):脳への酸素が減るため、一時的に意識を失う。この時、白目を剥いたり、体がピンと突っ張ったり、ピクピクとけいれんしたりする。

小児科医からの安心ポイント:見た目は非常に恐ろしいですが、実は脳の「安全装置」が正常に作動している証拠です。意識を失うことで大泣き(興奮状態)が強制終了され、体の力が抜けると自然に呼吸が再開します。通常、数十秒から1分程度でケロリと元に戻り、脳に後遺症が残ったり、てんかんになりやすくなったりすることはありません。


2. 目の前で起きたら?絶対NGな行動と、正しい3つのステップ

いざその瞬間が訪れたとき、焦って間違った対応をしてしまうと、かえって危険な場合があります。

❌ 絶対にやってはいけないNG行動

激しく揺さぶる、叩く

息をさせようとパニックになって強く揺さぶると、「乳幼児揺さぶられ症候群」となり、脳に出血などの致命的なダメージを与える危険があります。絶対にやめてください。

口の中に指や物を入れる

舌を噛むのを防ごうと指を入れる方がいますが、呼吸を妨げたり、指を大怪我したりする原因になります。泣き入りひきつけで舌を噛み切ることはありません。

⭕ 正しい対応 3つのステップ

ステップ①:まずは親が深呼吸をして落ち着く

「これは泣き入りひきつけだ。自然に治る」と心の中で唱え、時計を見て時間を計りましょう。

ステップ②:安全な場所に寝かせる

立ったまま、あるいは座ったまま意識を失うと、倒れて頭を打つ危険があります。すぐに平らで安全な床に仰向けに寝かせ、衣服の首元がきつい場合は緩めてあげてください。

ステップ③:スマートフォンのカメラで動画を撮る

少し冷酷に感じるかもしれませんが、これが最も小児科医が助かる行動です。「てんかん」など他の病気との鑑別において、発作時の目の動き、顔色、手足の突っ張り方の動画は、どんな検査よりも確実な診断材料になります。


3. 病院へ行くべき?危険なサインの見分け方

泣き入りひきつけ自体は良性で、成長とともに小学校に上がる頃には自然に消失します。しかし、以下のような場合は「ただの泣き入りひきつけではない」可能性があるため、受診が必要です。

  • 初めて症状が出たとき(一度は小児科で確定診断を受けると安心です)
  • 激しく泣いたという「きっかけ」がなく、突然意識を失ったりけいれんしたりしたとき
  • 発作(息が止まっている時間・意識がない時間)が数分以上と長いとき
  • 睡眠中に起きたとき
  • 発作後、長時間ぼーっとしていたり、麻痺が残っていたりするとき

4. 予防法はあるの?(鉄分不足との意外な関係)

基本的には自律神経の未熟さが原因のため、完全に予防することは困難です。「泣かせないように…」と親が腫れ物に触るように育児をしてストレスを溜める必要はありません。

ただし、頻繁に(1日に何度も、あるいは週に何度も)起こす場合、医学的には「鉄欠乏性貧血(体内の鉄分不足)」が隠れているケースがよく知られています。

鉄分が不足すると、脳の神経伝達物質のバランスが崩れ、泣き入りひきつけを起こしやすくなると考えられています。小児科で血液検査をして貧血が判明した場合、鉄剤のシロップを数ヶ月内服するだけで、劇的に症状が減ることがあります。頻度が高くてお困りの場合は、一度かかりつけ医にご相談ください。


初めての「泣き入りひきつけ」は、親にとって寿命が縮むような経験です。しかし、正しい知識があれば「あ、またやってるな。安全な場所に寝かせておこう」とドンと構えられるようになります。お子さんの成長の一過程として、冷静に見守ってあげてくださいね。

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