【小児科医🍎blog】「幼児にブルーライトカットメガネ」は意味がない!?眼科学会の見解と、太陽の光(バイオレットライト)の絶大な効果 | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医🍎blog】「幼児にブルーライトカットメガネ」は意味がない!?眼科学会の見解と、太陽の光(バイオレットライト)の絶大な効果

眼科
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こんにちは!

小児科専門医かつ、現在2歳のやんちゃ盛りの娘の育児に奮闘中の小児科医りんごです🍎

いつも「ゆるっと小児科医ブログ」をご覧いただきありがとうございます。

さて、現代の育児において、スマートフォンやタブレットはもはや切り離せない存在ですよね。我が家でも、どうしても手が離せない時に動画に助けてもらうことは多々あります。

そんな時、親として気になるのが「子どもの目への影響」ではないでしょうか。 「ブルーライトから子どもの目を守らなきゃ!」と、子ども用のブルーライトカットメガネの購入を検討したことがあるパパ・ママも多いかもしれません。

しかし、ちょっと待ってください! 実は、幼児へのブルーライトカットメガネの着用は推奨されていないということをご存知ですか?

今回は、多くの親御さんが誤解しがちな「ブルーライトと子どもの目」について、日本眼科学会などの公式見解を交えながら、小児科医の視点で分かりやすく解説していきます。

さらに、子どもの近視予防として近年注目されている「バイオレットライト」についても詳しくお話しします!


「子どもにブルーライトカットメガネ」は推奨されない?

結論から言うと、健康な子どもが日常的にブルーライトカットメガネをかけることは、医学的に推奨されていません。

これは個人の意見ではなく、2021年に日本眼科学会や日本小児眼科学会など、眼科領域の6つの学会が共同で発表した「小児のブルーライトカット眼鏡装用に対する慎重意見」という公式な見解に基づいています。

https://www.gankaikai.or.jp/info/20210414_bluelight.pdf

「えっ、目に悪い光をカットするんだから良いことじゃないの?」と思いますよね。 学会が推奨しない(むしろ悪影響の可能性があるとする)主な理由は、以下の3つです。

1. スマホのブルーライトで「網膜が傷つく」は極端な話

そもそも、私たちが日常的に浴びている太陽光には、スマホの液晶画面とは比較にならないほど大量のブルーライトが含まれています。

曇り空の日の自然光であっても、画面から出るブルーライトよりはるかに強いのです。

「デジタル端末のブルーライトで網膜がダメージを受ける」という科学的根拠(エビデンス)は、現時点では確認されていません。

2. 昼間のブルーライトは「体内時計」に必須!

ブルーライトは「悪者」というイメージが強いですが、実は私たちの生活リズム(サーカディアンリズム)を整えるために必要不可欠な光です。

朝や昼間にブルーライト(太陽光)をしっかり浴びることで、脳は「今は昼間だ!」と認識し、活動モードになります。

これをメガネで日中からカットしてしまうと、体内時計が狂い、睡眠障害や日中の不調に繋がる恐れがあります。

3. 発育期の目から光を奪うリスク

ここが最も重要です。

子どもの目は成長段階にあります。正常な目の発育には、十分な「光」を浴びることが不可欠です。ブルーライトカットメガネをかけることで、目の成長に必要な光まで遮断してしまい、結果的に近視の進行を早めてしまう可能性が指摘されています。


近視予防の救世主「バイオレットライト」の絶大な効果

では、子どもの目を近視から守るために本当に必要なものは何なのでしょうか? それはブルーライトをカットすることではなく、「太陽の光を浴びること」です。

近年、慶應義塾大学医学部の研究チームによって、太陽光に含まれる「バイオレットライト(波長360〜400ナノメートルの紫色の光)」に、近視の進行を強力に抑える効果があることが発見されました。

https://www.kll.keio.ac.jp/ktm2017/pdf/28_tsubotalab.pdf

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近視は、眼球の奥行き(眼軸長)が異常に伸びてしまうことで起こります。バイオレットライトは、目の中の特定の遺伝子に働きかけ、この眼球の伸びを抑制してくれるのです。

バイオレットライトの落とし穴

この素晴らしいバイオレットライトですが、実は「窓ガラス」や「UVカット機能付きのメガネ・コンタクトレンズ」をほとんど透過しません。

もちろん、ブルーライトカットメガネの一部もこの光を遮断してしまいます。

つまり、家の中で窓越しに日向ぼっこをしていても、バイオレットライトは十分に目に届いていないのです。


小児科医が教える!子どもの目を守る3つのアクション

では、親として日常のなかでどうやって子どもの目を守っていけばいいのでしょうか。おすすめのアクションを3つ紹介します。

① とにかく「外遊び」!1日2時間が理想

バイオレットライトを浴びる最良の方法は、屋外に出ることです。

近視予防のためには「1日2時間程度の屋外活動」が推奨されています。

もちろん、ずっと太陽を見つめる必要はありませんし、日陰で遊んでいても十分に効果があります。公園への行き帰りのお散歩など、細切れの時間でもトータルで2時間を目指せばOKです。

お天気の良い日は公園に出かけて、意識的に外の光を浴びるようにしましょう!

② デジタル端末は「距離」と「休憩」が鉄則

ブルーライト自体は恐れる必要はありませんが、画面を「近くで」「長時間」見続けることは、ピント調節の筋肉を疲労させ、近視のリスクを高めます。

1.距離を保つ

画面から目まで30cm以上離す。(テレビは部屋の広さに応じた適切な距離で)

2.20-20-20のルール

20分画面を見たら、20フィート(約6メートル)以上先を、20秒間見る。(小さな子どもには「これが終わったら、窓の外を見て休憩ね」と声をかけるのが現実的ですね)

③ 寝る前のスマホ・タブレットはNG

日中は必要なブルーライトも、夜は別です。

就寝前に強いブルーライトを浴びると、睡眠を促すホルモン(メラトニン)の分泌が抑えられ、寝付きが悪くなったり、睡眠の質が下がったりします。

「寝る1〜2時間前にはデジタル端末の電源をオフにする」のが理想的です。寝る前は絵本の読み聞かせなど、リラックスできる時間に切り替えましょう。


まとめ

  • 子どもにブルーライトカットメガネは不要(むしろ非推奨)
  • 近視予防に一番効くのは「太陽の光(バイオレットライト)」
  • 画面を見るときは「適度な距離」と「こまめな休憩」を!

親としては「何かアイテムを買って守ってあげたい」という気持ちになりますが、子どもたちの目にとって最高のサプリメントは「お日様の下で元気に遊ぶこと」なんですね。

育児や仕事、家事に追われる毎日で、毎日2時間の外遊びはハードルが高い日もあると思います。

「今日は少し多めに外を歩かせよう」くらいの気持ちで、できる範囲で太陽の光を取り入れてみてくださいね。

完璧じゃなくて大丈夫。これからも一緒に、ゆるっと育児を楽しんでいきましょう!🍎

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