Congenital nasolacrimal duct obstruction:CNLDO
総論
・CNLDOは、小児に多くみられる疾患であり、涙道の排水システムの障害を引き起こし、臨床的には流涙症や眼脂などの症状を呈する疾患である。
・幼少期の約6-20%にみられると報告されており、乳児における涙道疾患としては最も頻度が高い。
原因
・涙道では、鼻涙管と鼻何幕の移行部における粘膜構造(ハスナー弁)の器質的な閉塞が原因であることが多い。
・また、ハスナー弁より上方の鼻涙管の狭窄、閉塞、先天奇形に伴う涙道閉塞も認められる。
病態
・涙液は涙腺で産生され、眼表面を潤したのちに、一部は蒸発、残りの涙液は涙道へと流れる。
・涙道の入り口は、眼瞼鼻側の上下に位置する涙点と呼ばれる箇所から、涙小管→総涙小管→涙嚢→鼻涙管→下鼻道へと続く。
・涙道内に流れ込んだ涙液の一部は涙嚢粘膜で再吸収されるが、残りの涙液は最終的には鼻腔に排出される。CNLDOでは、ハスナー管等の閉塞により、正常な涙液排出経路が阻害されているため、流涙を来す。
臨床症状
・CNLDOでは、生後1ヶ月以内に流涙や眼脂の症状を来す。
・閉塞に伴い涙液のターンオーバーが低下すると、時に涙嚢内で感染を生じ。涙嚢周囲の炎症を伴う急性涙嚢炎や眼瞼炎をきたす。
検査
・問診にてCNLDOが疑われた場合、涙嚢部の膨隆と圧迫での涙嚢内の貯留物が逆流することが診断の一助となる。
・また、蛍光色素消失試験も有効。蛍光色素であるフルオレセインが染み込んだフローレス眼検査用試験紙を点眼液で濡らし、両眼の下眼瞼結膜に接触させると涙液にフルオレセインが拡散し、黄緑色の涙液となる。5-10分安静後にブルーライトで涙液と鼻腔の蛍光を確認する。正常であれば、涙液中の蛍光色素は消失し鼻腔に蛍光色素が到達する。しかし、CNLDOの場合、涙液中に蛍光色素が残留し、鼻汁に蛍光色素が到達せず、残留側に涙道閉塞が生じていると分かる。
治療
・自然治癒率は生後3ヶ月までで約70%、12ヶ月までに約95%と報告されている。
保存的治療
・保存的治療は、自然治癒を期待した経過観察がある。また、観血的治療もある。
・保存的治療を行場合は、涙嚢マッサージ(涙嚢の内容物を鼻涙管下端に向かって押し込む加圧マッサージ。Crigler法。)を指示して経過観察。
・眼脂が多く結膜炎・眼瞼炎などを合併する場合は抗菌薬点眼を行う。
・保存的治療を行う場合、1歳を目標とし、自然治癒しない場合は観血的治療を行う。
観血的治療
・観血的治療としては、一般的にプロービングを行い、施設によっては内視鏡を併用する。プローピングとは、ブジー(棒状の金属)を涙点から挿入し、閉塞部を開放させる治療である。


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