【小児科blog:内分泌代謝, 新生児, NICU】新生児低血糖について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科blog:内分泌代謝, 新生児, NICU】新生児低血糖について

内分泌代謝

以前の記事で、新生児だけでなく一般小児の低血糖についてまとめてあるので、下記記事を参照ください!!↓

総論

・新生児低血糖症とは、血中のグルコース濃度が低下し、細胞機能が維持できない状態のことである。

・新生児における低血糖症の定義は、およそ血糖30-50 mg/dL未満を指すことが多い。

・胎児期においては母体から胎盤を介してグルコースが供給されているが、出生により供給がなくなるので、生後1-2時間で血糖値は生理的に低下する。

・通常、その後上昇傾向となり血糖値は1-2日で回復する。しかし何らかの原因で正常範囲内に達しないと低血糖症となる。

病態

・代表的な病態は以下の3つである。これらを満たす場合、新生児低血糖の高リスクと言えるので注意しておくこと。

①グルコースの消費増大

ハイリスク児:新生児仮死の蘇生後、低体温からの回復期、感染症、多血症、RDS

・周産期のトラブルで酸素需要が増大し、グリコーゲンの分解が促進される。

・消費の増大により、グリコーゲンが枯渇し低血糖になる。

②肝臓のグリコーゲン蓄積不足

ハイリスク児:胎児発育不全(FGR)、低出生体重児、早産児、多胎など

・肝臓のグリコーゲン蓄積が少なく低血糖。

③高インスリン血症

ハイリスク児:先天性高インスリン血症、糖尿病母体児、母体リトドリン投与後、遺伝子異常による持続性高インスリン血症

・IDMの場合、母体の高血糖などによるインスリン分泌亢進状態が持続すると、血中の糖が肝臓に取り込まれ、低血糖になる。

また、上記の3つに加えて、先天代謝異常、内分泌疾患(先天性副腎皮質過形成など)も原因となる。

症状

・非特異的な症状が多く、低血糖だと気づかれないこともある

・ハイリスク児の診察では低血糖症の可能性を常に疑い、注意することが重要である。

カテコールアミン上昇による症状=交感神経刺激症状

・頻脈

・多呼吸

・振戦

・皮膚蒼白、チアノーゼ

脳・神経細胞の代謝低下=中枢神経症状

・けいれん

・無呼吸発作

・活動性低下

・異常啼泣

・易刺激性

・なんとなく元気がない=not doing well

血糖管理(低血糖リスク因子を有さず、低血糖症状のない正期産児)

・正期産児の血糖値の推移を元に、時間帯別の血糖値の評価方法については以下の通り。

出生直後〜生後1時間

・臍帯からのグルコースの供給が途絶えると急速に血糖値は低下し、生後30分にnadirとなり、25mg/dL程度まで低下することも珍しくない。

・血糖値25mg/dl未満であれば介入。それ以上あれば経過観察

生後1時間〜生後3時間

・血糖値はnadirを脱し、上昇傾向に転じる。よって、血糖値が上昇傾向にあれば経過観察でよい。

・この時間帯でも血糖値が25 mg/dL未満であるなら、ブドウ糖静注も考慮される。25-40mg/dLであれば何らかの介入(早期授乳・人工乳投与、ブドウ糖の静注など)を検討する。40mg/dL以上あれば経過観察。

生後3-4時間後

・多くは血糖値が45mg/dLを超える。

・この時間帯でも血糖値が35mg/dL未満であれば、ブドウ糖静注を行う。

・35-45mg/dLであえば何らかの介入を検討。45mg/dL以上あれば経過観察を行う。

治療

・高度の低血糖は不可逆lな中枢神経障害をもたらすため、迅速な治療が必要となる。

・血糖値50 mg/dL未満を目安に治療を開始し、50-100 mg/dLを目標とする。

臨床症状ない場合

・まずは授乳。血糖安定すれば経過観察。

・血糖安定しない場合は4-6mg/kg/minのブドウ糖投与から開始。

臨床症状ある場合

・10%ブドウ糖 2-4mL/kgを静注

・さらに、ブドウ糖6-8 mg/kg/minから開始する。

・ブドウ糖15 mg/kg/minでも血糖が保てない場合、インスリンを確認。インスリン正常~低値の場合、ヒドロコルチゾン投与、グルカゴン投与。高インスリン血症の場合、ジアゾキシド投与する。

・治療によって改善した後も、48-72時間は定期的な血糖測定を行う。

予防

・低血糖を予防するため、出生後は母児の状態が落ち着き次第、できれば生後1時間以内に授乳を開始するのが望ましい。

・ハイリスク児ではルーチンで経時的血糖測定を行い、場合によっては予防的にブドウ糖投与を行う。

症候性低血糖の診断に必要な検査

・低血糖時の検体採取は鑑別のために重要となる。

クリティカルサンプルで測定すべき項目(高インスリン血症の診断に必要な検査)

・BS(血糖値):測定機器の影響を受けるので注意が必要

・インスリン

・遊離脂肪酸(FFA)

・βヒドロキシ酪酸(ケトン体)

高インスリン血症が示唆される場合にCritical sampleで行うべき検査

・アンモニア

高インスリン血症が否定的な場合に、Critical sampleで測定を考慮すべき検査

・インスリン拮抗ホルモン(GH、コルチゾール、甲状腺ホルモンなど)

・乳酸

・尿中有機酸分析

・アシルカルニチンプロフィル(血清あるいは濾紙血)など

ケトン性低血糖について

・低血糖をきたし、血中総ケトン体 < 1,500 μmol/L、尿ケトン陰性の場合は、高インスリン性低血糖症や、脂肪酸酸化異常症、ケトン体産生異常症などの非(低)ケトン性低血糖です。

・しかし、血中総ケトン体 ≧ 1,500 μmol/L、尿ケトン陽性n場合、ケトン性低血糖に分類されます。

下垂体機能低下症、副腎不全

・インスリン拮抗ホルモンである、GH、ACTH、コルチゾールが不足している。

肝型糖原病

・肝腫大をきたす。糖新生の異常をきたす。

アミノ酸・有機酸代謝異常

・代謝性アシドーシスをきたす。

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