今回は、生後1ヶ月未満の発熱について。
小児科において、「fever without source:全身状態に問題がなく特異的な身体所見もない乳幼児の発熱例」は注意すべきテーマです。
ほとんどは自然軽快するウイルス感染症ですが、重症感染症の初期あるいは重症感染症の前駆状態と考えられるoccult bacteremiaを診断する必要があります。
今回は、予防接種もまだ行えていない、細菌感染症のリスクの高い生後1ヶ月未満・新生児の発熱に対する抗菌薬治療についてまとめます。
1.生後1ヶ月未満の発熱の対応
まず、基本的には全例入院の方針となります(着せものが多すぎる場合のうつ熱など除く)。そして、各種検査を施行して細菌感染症を否定することが必要になります。
抗菌薬の選択例としては以下の通りです。
生後0-7日:CTX 50 mg/kg/dose(8時間毎)+ABPC 50-100mg/kg/dose(8時間毎)
生後8-28日:CTX 50 mg/kg/dose(6時間毎)+ABPC 50-75mg/kg/dose(6時間毎)
発熱で受診した新生児の約12%に重篤な細菌感染があると言われていますが、主な病因微生物は大腸菌、L. monocytogenes、B群レンサ球菌、肺炎球菌です。以上のようなグラム養成給金と腸内細菌、そしてリステリアをカバーした治療を行います。

また、この時期に重要な治療可能ウイルス感染症として、新生児ヘルペス感染症も挙げられます。母にヘルペス感染症があった場合はもちろん疑う必要があります。
そのほかにも、以下の場合がリスクファクターとなります。
①母体が陰部ヘルペス初発である。
②母体の単純ヘルペスに対する中和抗体が低価である。
③破水してからの時間が長い。
④経膣分娩(帝王切開に比べてリスクが高い)
分娩時に単純ヘルペスに罹患した場合、通常出生後2-4週間で症状が顕在化します。
また、治療としてはACV(アシクロビル)が使用されますが、ある程度疑いがあれば治療が必要となります。以下にACV開始の基準を示します。
■Kimberinの基準
①皮膚に水疱がある
②けいれんがある
③肝逸脱酵素(AST、ALT)の上昇がある
④敗血症様の症状がある(低体温も含む)
⑤臨床的に重症感がある
また、上記に対する追加条件として、
■Longの条件
⑥髄液検査で単核球優位の増多がみられる
⑦明らかな熱源が不明の場合
などの条件を設定し、当てはまる項目があればACVによる加療を行います。
しかし、どの条件も絶対的なものではなく、基本的には疑ったら治療を培養提出後に行います。大切なのは開始の基準よりも、治療中止の判断でしょう。
今回はこれでおしまいです。


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