今回は、髄液を採取することで髄膜炎や頭蓋内出血などを検索する目的の検査、腰椎穿刺の手順などについてまとめます。
適応
・中枢神経感染症が疑われるとき
・くも膜下出血が疑われるとき
・出血後水頭症の減圧を試みるとき
・代謝疾患の診断目的
この中でも、中枢神経感染症、特に髄膜炎には注意が必要。新生児敗血症の30%は細菌性髄膜炎が関与するとも言われている。
体位
・側臥位で行うのが一般的。座位で行う方が椎骨間の開きがよいとの報告もある。
・児を術者側のベッド端まで近づける。
・介助者が左手で両側大腿を抑えて膝を屈曲させて腹部の方へ引き寄せる。右手で肩を抱き込み、術者側へ腰背部を突き出すように屈曲固定する。
・体位を取る際には、強く屈曲固定しすぎて呼吸障害を起こさないように注意する。
・呼吸障害の確認のため、術中はパルスオキシメーターと心電図モニタを装着しながら穿刺を行う。
穿刺位置
・脊髄を損傷しないように、脊髄末端のレベルで穿刺する。
・新生児では、脊髄末端が第3腰椎に存在するので、第3-4脊髄間以下で穿刺する。目安として、左右の腸骨稜の最高点を結ぶ線(Jacoby線)の高さが第4腰椎の高さとなる。
・腰椎間の高さも重要だが、脊椎の中央レベルに穿刺できているのかもポイント。
穿刺手順
・消毒液を用いて穿刺部位を中心に同心円状に広く2-3回消毒。
・穿刺針を片手もしくは両手で保持して穿刺するが、片手で保持する場合は左手親指で棘突起を触れながらそのすぐ尾側を穿刺する。穿刺針は通常、22-23Gの注射針を使用する。
・穿刺方法は皮膚に対して垂直とし、脊柱正中を穿刺する。
・新生児では、穿刺針がくも膜下腔に到達する深さは1.0-1.5cmと言われる。
・穿刺の際、針の割面を上に向ける(棘間の繊維に平行にする)方が、縦走する硬膜の損傷が少なく、穿刺後の髄液漏出が少ないとされる
・髄液が出てきたら、3-4本の滅菌スピッツに髄液を採取する。1本目をグラム染色および髄液培養に提出。2本目は生化学検査用。3-4本目は細胞数カウント用と保存用。
・穿刺針が滴下する髄液量はおおよそ1滴0.05mLである。
・髄液の漏出に時間がかかるときは、穿刺針を90-180度回転させると漏出がよくなることがある。
・髄液採取後は抜針して再度消毒。滅菌ガーゼや滅菌綿球で穿刺部を圧迫する。
注意点
・血清髄液を認めた場合は、頭蓋内出血と鑑別する必要がある。traumatic tapの場合は、血清髄液が徐々に薄くなり、髄液蛋白も低値である。
・髄液中の細胞は溶解するため、検体採取から30分以内に細胞数をカウントすることが大事。
・腰椎穿刺後に起こる最も多い合併症は、髄液の漏出に伴う頭痛。新生児では評価が困難であるが、検査後は水平の体位を1時間程度維持することが一般的。しかし頭痛の予防に関するエビデンスは乏しい。


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