こんにちは!2児の父・小児科医りんごです🍎
いつも「ゆるっと小児科医ブログ」を読んでくださり、ありがとうございます。
我が家の3歳の娘も最近は自己主張がハッキリしてきて、いろんなものに興味津々。子どもの好奇心は素晴らしい反面、親としてはヒヤヒヤする場面も増えてきますよね。
さて、これからお祭りやイベントなどで目にする機会が増える「ラムネ」。
シュワっと爽やかで美味しいですよね。しかし、あの特徴的なガラス瓶(またはプラスチック瓶)が、思わぬ事故を引き起こすことがあるのをご存知でしょうか?
今回は、日本小児科学会の「傷害注意速報(Injury Alert)」に掲載された実際の事例をもとに、ラムネ瓶による舌のケガとその対策について、解説していきます 。
😱 実際に起きたラムネ瓶での事故
日本小児科学会で報告された、8歳の女の子の事例です 。
発生場所と状況: 自宅のリビングで、お祭りの縁日で買ったラムネを一人で飲んでいました 。
事故のきっかけ: ラムネを飲み終えた後、空になった瓶の飲み口に舌を付け、中の空気を吸って遊んでいました 。
トラブル発生: 吸っているうちに瓶に舌が吸着し、それが面白くてさらに吸い続けた結果、舌が瓶から抜けなくなってしまいました 。
病院へ: お母さんが1時間余り悪戦苦闘しましたがどうしても抜けず、救急外来を受診することになりました 。
🏥 病院での処置も一筋縄ではいかない
病院に到着した時点で、女の子の舌は瓶の口から2〜3cmも中に入り込んでいる状態でした 。幸い意識ははっきりしており、呼吸状態などのバイタルサインも正常でした 。

しかし、舌を抜く処置は非常に困難を極めました。
第一の作戦: まず、瓶と舌の隙間に細い医療用の管(ゾンデ)を入れ、瓶の中の陰圧(吸い込む力)を逃がそうと試みました 。しかし、抜けません 。
第二の作戦: 別の管(サーフロ)を入れ、注射器で空気を注入して瓶の中を陽圧(押し出す力)にしようと試みました 。しかし、これもうまくいきません 。
最終手段: さらに別の管を入れ、潤滑剤(キシロカインゼリー)を流し込み、ねじりながら引き抜くことで、ようやく抜去に成功しました 。

処置には15分を要しました 。抜けた後の舌の先端は、赤く腫れ上がり、内出血を起こしていました 。その後、耳鼻科医の診察も受け、経過観察で帰宅できたとのことです 。

🔍 なぜ舌が抜けなくなるの?原因とメカニズム
なぜ、ここまで頑固に抜けなくなってしまったのでしょうか。それにはラムネ瓶の「構造」が大きく関わっています。
キャップの種類
ラムネ瓶のキャップには、ねじって外せる「ネジ式キャップ」と、外すことのできない「打ち込み栓」の2種類があります 。

事故の原因となった瓶:今回の事例の瓶は、キャップが外せない「打ち込み栓」のタイプでした 。
狭い飲み口
この瓶の口は直径約13mmと本体に比べて狭く、とっくりのような構造をしていました 。
悪循環のメカニズム
舌をすぼめて長時間吸い続けたことで瓶の中が「陰圧」になり、舌が強く引き込まれます 。それに加えて、血流が悪くなること(うっ血)で舌がパンパンに腫れ上がり、さらに抜けなくなるという悪循環に陥っていたのです 。
💡 パパ・ママへのお願いと予防策
子どもは「遊びの天才」です。大人が思いもよらないような行動をとります。いろいろな形をした容器を口で吸って遊ぶのは、子どもにとってはよくある好奇心の表れです 。
しかし、容量が少なく、口が狭くなっている容器では、今回のような事故が起こる可能性があります 。
【今日からできる3つの対策】
キャップの確認
ラムネを買う際は、可能であれば「ネジ式キャップ(外せるタイプ)」のものを選ぶと安心です 。
飲み終わった後の声かけ
「空っぽになった瓶をチューチューすると、お口が抜けなくなってイタタになっちゃうからおしまいにしようね」と、理由を添えて優しく伝えてあげてください。頭ごなしに怒るのではなく、危険性を教えてあげることが大切です。
もし抜けなくなったら、すぐ受診を!
時間が経てば経つほど、舌のうっ血が強くなり、腫れ上がってさらに抜けなくなってしまいます 。ご家庭で無理に引っ張らず、迅速に医療機関を受診してください 。
最後に
これからの季節、楽しく安全に過ごすための参考になれば嬉しいです!
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