【小児科医blog:血液, 症候】出血傾向の鑑別 | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:血液, 症候】出血傾向の鑑別

血液

総論

小児の出血性疾患に遭遇した場合、各疾患の好発年齢、家族歴、既往歴の詳細な問診から得られる情報が疾患の鑑別に極めて重要である。

出血傾向の原因

・原因は大別して、①血小板の異常、②血管の異常、③凝固・線溶系の異常の3つに分けられる。

・血小板の異常は量的な異常と質的な異常(機能異常症)に分類される。

症状から推察される原因

皮膚粘膜の紫斑

・サイズの小さな点状出血(直径3mm以下)は①・②に特徴的。

・サイズの大きな斑状出血は①・②のみならず③にもみられる。

・溢血斑(皮下出血)は③に特徴的であるが、②でも見られることがある。

鼻出血

・①、②に多い。特に①では貧血を起こすほどの出血が見られることがある。

・③にも見られるが、軽度のことが多い。

歯肉出血、抜歯後の出血

・①、②、③のいずれにも見られるが、③は症状が遷延することが多い。

消化管出血

・①、②、③のいずれにも見られるが、単独の初発症状である場合は少ない。例外は新生児メレナ、すなわちビタミンK欠乏性出血症である。

血尿

・①、②、③のいずれにもみられる。

関節・筋肉内出血

・③に特徴的な出血で、特に血友病が疑われる。

・筋肉内出血のうり、腸腰筋血腫の診断は外観からは診断できないので、特徴的な肢位(腸腰筋肢位:激しい疼痛のため大腿を伸展できず、臥位で股関節を屈曲する肢位をとる)が診断のきっかけとなる

頭蓋内出血

・①、②、③のいずれにもみられる。

・③に多く、乳幼児期の症状は発熱など非特異的症状のみの場合もある。

臍出血

・新生児期の臍出血は、先天性無フィブリノゲン血症、先天性第13因子欠乏症、α2-プラスミンインヒビター欠乏症に特徴的である。

家族歴

・小児期に発症する出血経口の疾患は遺伝性疾患が多い。

・詳細な家系調査とそれに基づく遺伝形式が診断に補助的な役割をする。

既往歴

・出血の既往歴を問診する場合、漠然と質問するのではなく、具体的に抜歯時、手術時、分娩時の止血困難の有無について質問する。

・鼻出血については頻度ではなく、持続時間や出血量が病的かどうかの判断には重要。

検査による鑑別

・出血経口のスクリーニング検査は、血小板数、出血時間、プロトロンビン時間(PT) 、活性化部分トロンボプラスチン(APTT)を検査する。

血小板数低下の場合

・血小板減少症が鑑別。

血小板数正常の場合

出血時間が延長あり

・血小板機能異常が鑑別

・PT、APTTの正常の場合は線溶系異常も鑑別。

出血時間正常

・PT、APTT延長の有無で鑑別する。

PT・APTTともに延長:凝固異常症

PTのみ延長:外因系凝固異常

APTTのみ延長:内因系凝固異常

PT・APTTともに正常:血管系異常、第13因子欠損症

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