【小児科医blog:血液】小児の輸血療法について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:血液】小児の輸血療法について

血液

総論

・小児一般に対する血液製剤の投与基準については、いまだに十分なコンセンサスは得られているわけではない。

・また、個別の症例に関して輸血については考える必要がある。

・一般的な輸血の内容については、厚生労働省の作成した「血液製剤の使用指針」に記載された、小児・新生児の輸血に関連した事項を参照するとよい。もしくは、それぞれの施設でのマニュアルに従った使用方法が良い。

特徴・血液製剤の種類

・輸血用血液製剤には、赤血球、血小板、新鮮凍結血漿(fresh frozen plazma: FFP)がある。

・それぞれ、全血200mLに由来する血液成分を1単位とよび、各製剤の1単位分の容量は、赤血球は約140mL、血小板は約20mL、FFPは約120mLである。

・輸血用血液製剤は、副反応防止のため、あらかじめ放射線照射(irradiation: Ir)と白血球除去(leukocyte reduction: LR)が行われている。

・小児科領域で頻用される血液製剤は、赤血球は照射赤血球液-LR(Ir-RBC-LR)、血小板は照射濃厚血小板-LR(Ir-PC-LR)であり、採取後の有効期間は赤血球21日間、血小板4日間、FFP1年間(凍結)である。

輸血の投与時間

・基本的に、1-2mL/kg/hr の速度で輸血。

・緊急輸血の場合は、以下のように開始から15分までをゆっくり、その後は2mL/kg/hrで輸血すればよい。

投与時間について

開始~15分:1 mL/kg/hr

  15分~:2 mL/kg/hr

造血促進(赤血球製剤を使う前に…)

・貧血の場合、もちろん赤血球製剤は重要ではあるが、貧血となる原因について考慮することも重要。鉄剤やEPO(エリスロポエチン)製剤により改善する貧血も多くある。

鉄補充

・溶性ピロリン酸第二鉄(インクレミンシロップ)

  用量:3-6 mg/kg/日 分2-3(max 90mg)

・フマル酸第一鉄(フェルム)

  用量:成人100 mg/日 分1

・クエン酸第一鉄(フェロミア)

  用量:成人 100-200 mg/日 分1-2

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ヒトエリスロポエチン製剤

・未熟児貧血や腎性貧血で適応

赤血球輸血

・新生児の赤血球輸血の際は、高カリウム血症に配慮が必要。

適応

・貧血のある場合(一般状態の安定している患者では、Hb 7-8 g/dLと治療の目安とする)、赤血球を輸血します。詳しい輸血の閾値は以下の通り。

全身状態が安定している児での輸血

・Hb 7g/dL台で輸血を考慮する

慢性的な酸素依存症の児

・Hb 11 g/dLで輸血考慮

生後24時間未満の新生児集中治療を受けている新生児

・Hb 12 g/dLで輸血考慮

投与量の目安

・Ir RBC-LR 1単位(140mL)またはLR 2単位(280mL)を使用。

 投与量=10mL/kg

 (1-2mL/kg/hr)

 ※定期での補充目的なら、max 2単位くらいが目安。大量出血時などはケースによる。

・投与量:必要単位数=(目標Hb-実測Hb)×体重(kg)/40

①赤血球数 10mL/kgの投与で、Hb 2-3g/dL程度増加する

 貧血が強い時は、(Hb値) mL/kg 程度にする  ※TACO予防のため

②必要輸血量(mL)=循環血液量(mL)×(目標Ht−患者のHt)/投与血のHt

 循環血液量:年齢により70-80mL/kg

 照射赤血球液-LR「日赤」:通常Ht=50-55%

実際の投与方法

投与量:10(-15) mL/kg (投与速度:2.0mL/kg/時)

 

・重度の慢性貧血(Hb<5g/dL)や心機能低下症例では輸血関連循環負荷(TACO:transfusion-associated circulatory overload)のリスクが高く、より低速に投与

・活動性出血の場合は急速に投与

・低Ca血症に注意する。

血小板輸血

適応

・腫瘍の骨髄浸潤や抗腫瘍薬による骨髄抑制、造血幹細胞移植によるPlt減少ではPlt≧1万を保つように輸血。白血病患者の補充輸血の場合、4万を切るくらいで注意して観察し、2-3万になれば輸血を考慮する。

・髄液検査、PICC挿入時は出血リスクが高いのでPlt5万以上をキープできるように輸血する。

・Ir PC-LR 10単位 (200mL)を使用することが多い

全身状態が安定し、出血症状がない場合

・Plt<2-3万/μL で輸血を考慮

新生児同種免疫性血小板減少症

・Plt< 3万/μL で輸血を考慮

生後1週間以内の極低出生体重児、出血症状を認める児、侵襲的処置を受ける児

・Plt 5万/μLを維持できるように輸血

輸血閾値

Plt<1万(/μL):出血症状に関係なく輸注(ITP, TTP/HUS, HITを除く)

Plt<2万:重度の粘膜炎、敗血症、出血のないDIC、抗凝固療法、局所腫瘍浸潤による出血リスク、非トンネル型中心静脈カテーテルの挿入

Plt<4万:腰椎穿刺前

Plt<5万:中等度の出血(消化管出血など)(DICに関連するものも含む)、小手術以外の手術、トンネル型中心静脈カテーテルの挿入

Plt<7.5-10万:大出血または重大な術後出血、リスクの高い場所の手術(眼を含む中枢神経系)

投与量

・概ね、以下の目安で輸注する

投与量: 0.3単位/kg (max10単位/回)

照射濃厚血小板(Ir-PC-LR)1単位/3kgの輸血でPlt 5万/μL上昇する

予測血小板増加数(/μL)=輸血血小板総数/循環血液量(mL)×10*3 × 2/3

照射濃厚血小板-LR「日赤」10単位(約200mL)の含有血小板数は2.0×10*11個以上。

※1単位=20mL

投与方法

・投与量、投与速度は以下の通り。

・投与速度については赤血球製剤と大きく変わらない。

投与量

ex1) 5-10 mL/kg(= 0.25-0.5単位) 

例)10kgなら5単位、20kgなら10単位を投与する。

ex2) 0.3単位/kg

投与速度

・最初は1mL/kg/hr、バイタル等問題なければ2mL/kg/hr

新鮮凍結血漿輸血

適応例

・大量出血(投与単位比で、新鮮凍結血漿:血小板濃厚製剤:赤血球=1:1:1が目標)

・肝障害やDICで、かつ、有意な出血があるか侵襲的手術を行うとき

・ワルファリン使用時の出血でプロトロンビン複合体製剤がただちに使用できないとき

凝固因子補充を考慮する目安

PT:INR2.0以上、または30%以下

APTT:各医療機関における基準の上限の2倍以上

フィブリノゲン:150mg/dL以下、またはこれ以下に進展する危険性がある場合

投与量

新鮮凍結血漿 8-12 mL/kg の投与で、凝固因子活性量が20-30%上昇する

・10 mL/kg/回 くらいでOK

投与方法

通常 5-10 mL/kg を1-2時間で投与する。

副反応への対応

・輸血で過去に蕁麻疹などアレルギー反応性の副反応が出た児では、以下の輸血前処置を行う。

・輸血前処置は30分で点滴静注を行う。

・赤血球よりも、血小板やFFPで起こりやすい。皮膚紅潮や蕁麻疹、微熱など軽微な副反応は10%程度に発生する。

ネオファーゲン(20mL/1A)

・体重10kg未満で5mL、10-20kgで10mL、20kg以上で20mL投与

アタラックスP(25mg/1mL, 1A)

・1mg/kg目安で投与

ヒドロコルチゾン: HDC(100mg/1A)

・5mg/kgを目安で投与


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