総論
・MRSAとは、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(methicillin resistant Staphylococcus aureus: MRSA)のことである。
・ペニシリン系およびセフェム系をはじめとして多くの抗菌薬に対しても耐性をもっている多剤耐性の黄色ブドウ球菌である。
・従来、黄色ブドウ球菌は、ヒトの鼻腔、咽頭、口腔、皮膚および腸管内の常在菌である。さらにMRSAは通常の黄色ブドウ球菌と比べて、増殖速度はやや遅く、毒性も強いわけではない。しかし。人工呼吸管理中の低出生体重児や、ステロイド使用中の児、手術による皮膚切開を持つ児など危険因子を持つ児が感染すると重症化のリスクがある。
感染様式
・MRSA感染症の発生は、易感染児に対して、家族や医療従事者の手指やMRSA感染症に汚染した医療器具などからの水平感染が多い。
臨床所見
・MRSAの「保菌」か「感染」かで臨床像は異なる。
・体の一部からMRSA保菌が検出されても本人が無症状であれば、MRSA保菌者と言われる。
MRSA保菌児
・基本的には感染症状を発生させない
MRSA感染児
・全身感染症としては、敗血症、関節炎、骨髄炎、肺炎、髄膜炎などが知られている。
・敗血症の場合、症状が徐々に進行し、哺乳力低下やnot doing well、皮膚色不良、体温不安定、腹部膨満などの症状を認める場合がある。
・四肢関節の発赤、腫脹、触診時の啼泣があれば、関節炎や骨髄炎を疑う。
治療
・全身感染症に対しては、バンコマイシンの点滴静注を行う
・バンコマイシンを使用する場合、腎障害などの副作用について注意しながら、血中濃度をモニターしつつ治療を行う。


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