総論
・腰椎の間に細い針を刺して脳脊髄液を採取する方法を腰椎穿刺という
・採取した脳脊髄液を用いて、その中に含まれる蛋白質や糖の量、細胞の数や形態を検査し、髄膜炎の鑑別を行う。
・髄液内に薬剤を投与するために腰椎穿刺を行う場合もある。
適応
・髄膜炎を疑われる場合
・髄液内に薬剤投与を行う必要がある場合
禁忌
・頭蓋内圧が亢進している患児では、脳ヘルニアが起こる可能性があり禁忌である
・検査前に頭蓋内圧亢進症状、Cushing徴候、頭部エコーや頭部CTで頭蓋内圧亢進の有無を確認すること。
・また、脊髄髄膜瘤のある児にも穿刺は避けた方が良い
準備物品
・スパイナル針(ルンバール針):乳幼児23G(水色)、以降22G(黒色)
・スピッツ(検査に応じて本数用意、最低2本くらい)
・消毒(イソジン)
・鑷子(長い方が便利)
・滅菌手袋
・穴開き圧布
・絆創膏
手技手順
事前の準備
・前日までにマーキング、当日朝にエムラクリームを塗布しておく。
Jacoby(ヤコビ−)線を触知
・腸前腸骨稜を深めに触る。そこから垂直に線を下ろすと、第4, 5腰椎の棘突起間に一致するとされている。
・第4,5腰椎間の上下1椎間が穿刺に適している。
体を固定する
・できるだけ動かないようにしっかりと固定するのが穿刺よりも大事
・背中をできるだけ丸めて膝を抱え込み、かつ背中をベッドに垂直に立てることを意識する。
・新生児の場合は両手で抑え込むように固定
・乳幼児以降は、右手は患児の腹側に、左手は背側に配置し、両手で挟み込むようにして固定する。患児の両側大腿を両脚で挟み込むようにすると良い。複数介助者がいれば2人で固定しても良い。
・固定に気をとられすぎて、児が窒息しないように児の様子を確認することも忘れない。
術野の消毒
・消毒前にクリームを除去するのを忘れない
・マーキングを中心に消毒する。上から穴開き圧布をかけるので、広く消毒しすぎる必要はない
穿刺
・Jacoby線と脊柱の正中線の交点をめがけて穿刺をする。
・小児の場合、成人のように硬膜を通過した時のプツッとした破裂音はほとんど聴取されない。
・硬膜を貫くまで、内筒をこまめに抜き差ししながら少しずつ針を進める
・手応えなくスーッと刺入できていれば上手くいっていることが多い。対して、両隣の靱帯を穿刺している場合には、サクサクとした索状物を貫いている手応えが感じられる。そのまま進めると、靱帯内に通っている血管を損傷し出血・血腫をつくる原因になる。
・そのため、サクッとした音が聴こえた時点で、穿刺の方向を正中に修正する必要がある。それでも上手くいかなければ、出血しない内に撤退する勇気も必要である。
穿刺の深さ(=髄腔までの深さ)の目安
以下の計算式で、穿刺すべき深さが体重により概算できる。
新生児、乳児:2×体重(kg)+7mm
小児:0.4×体重(kg)+20mm
引用元
■新生児

■小児

髄液採取
・髄液流出が確認されたら、10-15滴ほど採取する。
・髄注薬がある場合、ルンバール針を固定したままシリンジを接続する。
針の抜去
・外筒針を抜く前に、内筒針を再度挿入しておく。post-spinal tap syndromeと呼ばれる、腰椎穿刺後の頭痛の予防になる。
・穿刺部を消毒し、ガーゼ・絆創膏で保護して終了。


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