【小児科blog:内分泌疾患】McCune-Albright症候群について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科blog:内分泌疾患】McCune-Albright症候群について

内分泌代謝

総論

・McCune-Albright症候群(MAS)は、骨病変、皮膚病編、および内分泌機能亢進症といった幅広い臨床像を呈する疾患である。

・発症頻度は10万分の1〜100万分の1、女子に多い。

・20q 13. 3に位置するGNAS遺伝子の活性型体細胞変異(機能獲得型変異)により発症する。この変異はモザイクであるため、親から子への遺伝性はない。

病態・臨床症状

・MASの3徴は以下の通り

①多骨性線維性骨異形成症(fibrous dysplasia of bone: FD)

②カフェラテ斑

③思春期早発症(precocious puberty: PP)

・上記の3つが全て揃わない症例はよくある。

多骨性線維性骨異形成症(fibrous dysplasia of bone: FD)

・FDでは、正常な骨が無秩序な構造の線維性骨組織に置換されている。そのため骨は脆弱になり、変形や骨折をきたす。

・これは骨芽前駆細胞が成熟した骨芽細胞などに分化するのを妨げられ、過剰な骨基質を産生していることによる。

・骨病変では、破骨細胞形成が活性化しており、骨吸収が亢進している。

・頻度としては、3つの中で最も多い。

・出生後、徐々にFD病変が明らかになり、ほぼ5歳までに気付かれる。

・FD病変は頭蓋骨や大腿骨(長管骨)、椎体、骨盤に出現することが多く、左右非対称性に分布する。

・15歳までの小児期に出現する骨病変としては、顔面領域が最多。成人期になると、新たな病変が出現することは少ない。

・病変部位により、顔面変形や脳神経圧迫症状、骨痛、跛行および胸郭変形、側弯が生じる。

・骨折は小児期から青年期に多い。

・fibrinogen growth factor 23(FGF23)の過剰賛成によりFGF23関連低リン血症性くる病が生じる

カフェラテ斑

・皮膚病変は、GNASモザイク変異により局所のメラニン形成が増加することによる。

・皮膚病変は出生時より認められ、Coast of Maineと呼ばれる辺縁が入り組んだ形を特徴としている。

・正中を超えることはなく、Blaschko線に沿った左右非対称性の分布を呈することが多い。

ゴナドトロピン非依存性思春期早発症(precocious puberty: PP)

・内分泌学的には、Gsαが関与するホルモンシグナル伝達の恒常的活性化により、リガンド(LH、FSH、TSH、GHRH、ACTH)に依存しないホルモン産生が亢進し、ホルモン過剰による臨床像が出現する。

・ゴナドトロピン非依存性PPは女児MAS患者の約半数に認められ、乳房腫大や早発月経をきたす。

・女児MAS患者のPPは乳児期〜7歳ごろに認められることが多い。

・男児MAS患者のPPは女児と比較し少ないが、陰茎増大、陰毛発生、精巣腫大を呈する。

検査

多骨性線維性骨異形成症(fibrous dysplasia of bone: FD)

・FDは全身X線撮影にて透過性亢進像(嚢胞性)や、薄い皮質硬化像、すりガラス様陰影が生じる

・頭部CT撮影は本症例診断のゴールドスタンダード。頭蓋骨の形態学的変化を明確にすることができ、経年的フォローアップにも有効。

・血液検査では、ALP、FGF-23、低P血症を認めるが、血清Ca値や副甲状腺ホルモンは正常値である。

・ALPはコスト的にも骨病変の活動性フォローに適している。

思春期早発症(precocious puberty: PP)

・LH、FSH低値とエストロゲン・テストステロンの上昇を確認する。超音波にて卵巣腫大や精巣腫大などの異常所見を確認する。

・T3, T4、コルチゾールなど他のホルモン産生亢進の有無を確認しておく。

治療

思春期早発症(precocious puberty: PP)

・二次性中枢性PPに対しては、GnRH(ゴナドトロピン放出ホルモン)アナログを使用する。

・甲状腺機能亢進症はMASの役3割に認められる。チアマゾールが第一選択薬。

・成長ホルモン過剰症は1-2割に認められ、頭蓋骨FDの増悪に関与し、大頭症や視覚障害、聴覚障害、歯列不正などを呈することがある。ソマトスタチンアナログが第一選択。

・1歳までのMASではコルチゾール産生過剰となることもある。メチラポンが第一選択薬。

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