【小児科医blog:アレルギー, FA】納豆アレルギーについて(PGA感作) | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:アレルギー, FA】納豆アレルギーについて(PGA感作)

アレルギー

概念

・納豆アレルギーは、IgE依存性食物アレルギーであるにも関わらず、多くは遅発型アナフィラキシー(late-onset anaphylaxis)の臨床像を呈する。

・主要アレルゲンは納豆の粘稠成分であるポリガンマグルタミン酸(poly-γ-glutamic acid, PGA)であり、その感作はクラゲ刺傷を介して成立すると考えられている。

臨床的特徴

・納豆を摂取して約半日(5-14時間)後に発症する。

・ほぼ全例で蕁麻疹や呼吸困難を認め、消化器症状、意識障害などを伴うこともある。

・意識消失を伴うアナフィラキシーショックの頻度は約70%と高く、重篤なアレルギーである。

・摂取から症状出現までの時間が長いため診断に至りにくい。

・特に夜間〜早朝の原因不明のアナフィラキシーでは、本性の鑑別が必要である。

原因

・原因抗原であるPGAは、大豆と納豆菌を混合後の発酵過程で新たに産生される物質であるため、原則大豆にアレルギー反応を示すことはない。

疫学

・20-50歳代の男性に多い。

・生活歴としてマリンスポーツ歴を有する人が多く、中でもサーフィンをする人は全体の80%をしめる。

・小児の報告は稀ではあるが、PGA感作が核にされた例の中ではサーフィン歴のある症例もある。

発症機序

・PGAの感作は、クラゲなどの刺胞動物刺傷を介して成立すると推定されている。

・クラゲは標的を刺す時に、触角細胞内でPGAを産生する。海での活動中にクラゲ刺傷を繰り返すうちに、クラゲ由来PGAに感作された人は、納豆摂取時に納豆由来PGAとの交差反応が生じるものと考えられる。

・遅発型に発症する理由は、高分子のPGAが腸管内で分解され吸収されるまでに時間がかかるためと推察されている。

診断

・問診で、納豆摂取後に遅発型にアレルギー症状が出現していた場合に疑われる。

・夜間や早朝に生じた原因不明のアナフィラキシーでは、半日前まで遡って納豆を摂取していないか確認する。

・診断には納豆を用いたprick-to-prick testが有用。

治療・患者指導

・納豆およびPGAを含有する食品や化粧品などを避ける。

・PGA含有製品は以下の通り

食品

・出汁(Ca吸収促進)、減塩醤油(塩味調節)などの調味料

・かまぼこ、ドレッシング(増粘剤)

・保存剤・甘味料・特定保健用食品(Ca吸収促進)

化粧品

・保湿剤

ドライマウス用剤(唾液分泌促進)

医薬品(drug delivery system)

・成分表示は統一されておらず、ポリガンマグルタミン酸、ポリグルタミン酸、γーPGA、納豆菌ガムなどと表記されている。

・豆腐などの大豆製品や、納豆菌を用いない大豆発酵製品(醤油、味噌)にはPGAは含まれていないため、除去は必要なし。

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