【小児科医blog:内分泌代謝, 救急】高アンモニア血症について | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:内分泌代謝, 救急】高アンモニア血症について

先天異常・染色体異常

病態

・原因は多様であり、尿素サイクル異常症以外では二次的に尿素サイクル関連酵素が阻害されることで発症する。

先天性代謝異常症で高アンモニア血症をきたす疾患

・尿素サイクル異常症(オルニチントランスカルバミダーゼ欠損症など)

・有機酸代謝異常症(プロピオン酸血症、メチルマロン酸血症など)

・脂肪酸代謝異常症

・ミトコンドリア病

症状

・嘔吐(全年齢で多くみられる)

・無呼吸(新生児期)

・意識レベル低下、けいれん、歩行不能などの神経症状

 →不可逆的な神経障害を残さないため、早い段階で診断し治療を行うことが必要。

検査

高アンモニア血症を疑う場合、以下の検査を実施する。

・一般血液検査

・血液ガス分析

・アンモニア

・血糖

・ケトン体

乳酸/ピルビン酸

血中アミノ酸分析、尿中有機酸分析(診断のついていない新生児)

・保存検体(濾紙血、血清・尿を凍結保存)

グルタミン検査の意義

・高アンモニア血症では、グルタミン酸が緩衝作用としてアンモニアを取り込みグルタミンとなるため血中に増加する。それに伴うアストロサイトの浸透圧性浮腫が神経症状の原因とも言われている。

・血中アンモニア値は食事などの要因により容易に値が動くため、病状コントロールの指標にはなりにくい。一方、血中グルタミン濃度は容易には動かないため、糖尿病コントロールにおけるHbA1cのような役割を果たす。

診断:検査値(血中アンモニア高値の基準)

新生児期:>200μg/dL(120 μmol/L)

乳児期以降:>100μg/dL(60 μmol/L)

※特に、血中アンモニア>850μg/dL(500 μmol/L)を超えた場合は済やかに透析導入を開始する

治療

・蛋白異化を抑制するための蛋白制限糖補充と、アンモニア濃度を低下させる薬物療法が原則

→つまり、体内に蓄積したアンモニアの除去と、体蛋白の崩壊による内因性の窒素負荷(窒素はアンモニアの原料)を阻止することが治療の基本。

点滴療法

・まず点滴ルートを確保。10%ブドウ糖を初期輸液(十分なエネルギーと水分投与)。

・中心静脈カテーテル挿入後は、ブドウ糖をGIR 8-10 mg/kg/分で投与

・側管から治療薬(アルギニン)を投与

L-アルギニン塩酸塩

投与量:250 mg/kg、120分で投与

維持投与量;250 mg/kg/日 

・アルギニンは残存尿素サイクル活性を利用して、アンモニアを排泄させる。

手に入るようであれば、以下の薬剤も使用。

フェニル酪酸ナトリウム(ブフェニール)

投与量:250 mg/kgをNG-tube下で投与(経口)

維持投与量:200-300 mg/kg/日

安息香酸ナトリウム

投与量:250 mg/kg、120分で投与

維持投与量:250-500mg/kg/日

その他

・腸内細菌によるアンモニア産生抑制のため、カナマイシンなどの抗生物質やラクツロースの経口投与も推奨される。

透析療法

・上記の点滴薬物治療で改善がみられない場合、血液透析または血液濾過透析を実施。

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