【小児科医blog:口腔カンジダ症(Oral candidiasis)】 | ゆるっと小児科医ブログ
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【小児科医blog:口腔カンジダ症(Oral candidiasis)】

感染症

・ 本ブログでは、口腔内カンジダ症(鵞口瘡:がこうそう)の主な特徴はや治療法についてまとめていきます。鑑別としては「ミルクカスとの見分け方」が診断の重要なポイントになります。

特徴的な見た目(白苔)

• 場所: 舌、頬の内側の粘膜、唇の裏、上あご(口蓋)などに現れます。

• 性状: 真っ白な「ミルクのカス」や「カッテージチーズ」のような塊(白苔:はくたい)がベッタリと付着します。

ミルクカスとの決定的な違い

これが最も分かりやすい鑑別点です。

• ミルクカス: ガーゼなどで拭うと簡単に取れます。

• カンジダ: こすっても容易には取れません。無理に剥がそうとすると、その下の粘膜が赤くただれていたり、出血したりすることがあります(これが典型的な所見です)。

症状

• 痛み: 基本的に痛みやかゆみはありません。

• 哺乳: 通常はミルクの飲みも良く、機嫌も悪くなりません。

• 重症例: まれに炎症が強くなると痛がり、哺乳量が落ちたり不機嫌になったりすることがあります。

発生しやすい状況

• 新生児・乳児: 免疫機能が未熟なため、健康な赤ちゃんでもよく見られます(産道感染や哺乳瓶などを介した感染)。

• 抗菌薬の使用後: 中耳炎や肺炎などで抗生物質を長く飲んだ後に、菌交代現象として発症することがあります。

もし「拭っても取れない白い塊」があり、赤ちゃんの哺乳量が落ちているようであれば、小児科での治療(抗真菌薬の塗布)が必要です。

治療

・新生児の鵞口瘡(口腔カンジダ症)に対する治療薬として、現在日本国内で標準的に使用されている薬剤は以下の通りです。

・特にフロリードゲル(ミコナゾール)の窒息リスクに関する警告が重要視されているため、選択には注意が必要です。

第一選択:アムホテリシンBシロップ(商品名:ファンギゾンシロップ 100mg/mL)

新生児に対し最も安全に使用できる標準薬です。消化管から吸収されないため、全身性の副作用が少なく安全性が高い薬剤です。

用法・用量(小児一般):通常 1回 0.5〜1mL(力価として50〜100mg)、1日 2〜4回 食後に経口投与

投与のポイント:「飲む」ことよりも「口腔内粘膜に接触させる」ことが目的です。

スポイトや綿棒、清潔な指を用いて、白苔が付着している舌や頬粘膜に塗りつけるように投与します。

授乳後に口腔内がきれいになってから塗布するのが効果的です。

第二選択:ミコナゾールゲル(商品名:フロリードゲル経口用2%)

かつては多用されていましたが、現在は新生児・乳児への使用は慎重、あるいは回避される傾向にあります。

重要な警告(窒息リスク):粘性が高く、喉に詰まらせて窒息・誤嚥性肺炎を起こすリスクがあるため、「6ヶ月未満の乳児」への投与については警告(外国での死亡例報告あり)が出されています。

使用する場合の注意:どうしても使用が必要な場合は、一度に全量を口に入れず、少量ずつ指や綿棒に取り、薄く塗り広げるようにします(塊のまま投与しない)。

• 気道閉塞のリスクを考慮し、第一選択としてはファンギゾンシロップが推奨されるケースが多いです。

治療期間とケア

期間: 通常、白苔が消失してからさらに2〜3日間継続し、再発を防ぎます(計1〜2週間程度)。

再感染予防:母乳栄養の場合、母親の乳頭にもカンジダが感染している可能性があるため、必要に応じて母親の乳頭ケア(抗真菌薬の塗布など)も検討します。また、哺乳瓶の乳首やおしゃぶりの消毒を徹底します。

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