感染症による急性蕁麻疹は以前より知られている。
臨床の現場ではステロイド抵抗性の急性蕁麻疹は感染症が原因の場合もあるため、鑑別疾患として考えておく必要がある。
症状
・皮疹、発熱の症状が主なものである。
皮疹
・急性感染性蕁麻疹の皮疹の特徴は以下のようなものがある。
・赤みの強い膨疹
・膨疹の出没が持続する
・膨疹が翌日には赤褐色斑となっていることがある
・また、時には紫斑の混じる紅斑がみられる場合もある。
発熱
・報告によるが、37.5〜38℃が発熱の条件とされる。
・しかし軽症例では36℃台の場合もある
検査所見
・細菌感染ではCRP上昇がよくみられるが、ウイルス感染症ではそれほど上がらない。
・また細菌感染症では白血球と好中球が増加することが多い。
・ウイルス感染では白血球とリンパ球が減少し、相対的に好中球の割合が上がることが多い。
診断条件
・以下の1〜5の条件を概ね満たす症例を急性感染性蕁麻疹と診断する。
角田ら 臨皮, 1996; 14: 446-448
⑴ ほぼ全身に蕁麻疹が多発する
⑵ 37℃以上の発熱がみられる
⑶ 抗ヒスタミン剤や強ミノC静注などの通常の治療に反応しない
⑷ 白血球1万以上、好中球70%以上、CRP0.5以上のうち2つ以上ある
⑸ 抗生剤併用のないステロイドの内服や注射に抵抗性
治療
・基本的に感染症に対する治療と急性蕁麻疹に対する治療を並行して行う。
蕁麻疹に対して
・程度に応じて、抗ヒスタミン剤、強ミノC静注、ステロイドの投与を行う
細菌感染が原因の場合
・病原菌はブドウ球菌や連鎖球菌が多いため、ペニシリン系やセフェム系が多い。
・しかし、セフェムが効かないばあい、マクロライドが有効な症例の報告もある(マイコプラズマetc)
ウイルス感染が原因の場合
・有効な抗ウイルス剤のないウイルス感染に対しては、補液や強ミノC静注なども用いられる。
マイコプラズマによる蕁麻疹
・成人では以下のような臨床的・検査的特徴が示されている。
・周囲にマイコプラズマ感染症の人がいる
・咳嗽あり
・マイコプラズマIgM抗体(定性)陽性
・マイコプラズマPA抗体価 40 倍以上(特異度83%, 感度89 %)
・TC系やEM系抗生剤が有効
・小児では成人と異なりIgM抗体価があまり上昇しないことが知られており、定性陽性およびPA抗体価40倍を優位と考えられている。
・皮膚症状の見られた患者で、必ずしも発熱や咳嗽がみられるわけではない。
・口蓋に点状水疱が散在して認められる場合がある。


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