こんにちは、小児科医🍎です。
もうすぐ節分ですね。「鬼は外!福は内!」と元気な声が聞こえてくる季節ですが、実は小児科医にとって、節分は一年の中でも神経を使う行事の一つでもあります。
なぜなら、節分の主役である「豆」が、小さなお子さんにとっては命に関わる事故の原因になり得るからです。
今回は、ご家庭で安全に、そして楽しく節分を過ごすために絶対に知っておいてほしいポイントをまとめました。
⚠️ 「5歳以下」には乾いた豆を食べさせない
結論からお伝えします。消費者庁や日本小児科学会からも注意喚起されていますが、5歳以下の子どもには、節分の豆(大豆や落花生などの硬い豆・ナッツ類)を食べさせないでください。
「3歳まではダメ」という認識の方も多いかもしれませんが、現在のガイドラインでは「5歳以下」が推奨ラインです。
なぜ「豆」がそんなに危険なの?
- 気道をふさぎやすいサイズ: 節分の豆の大きさは、子どもの気管(空気の通り道)にすっぽりはまってしまう絶妙なサイズです。
- 水分で膨らむ: 豆が水分を吸うと膨らみ、さらに気道を圧迫します。
- 油分による炎症: ナッツ類に含まれる油分は、肺に入ると激しい化学性肺炎(吸入性肺炎)を引き起こしやすく、治療が非常に困難になります。
- 噛み砕く力が未発達: 乳歯が生え揃っていても、大人ほど硬いものを効率よくすり潰す力はありません。不意に笑ったり驚いたりした拍子に、そのまま飲み込んでしまう(誤嚥)リスクが非常に高いのです。
🫘 安全に楽しむための「代用品」アイデア
「豆をまかないと節分気分が出ない…」というご家庭も多いはず。そんな時は、誤嚥のリスクが低いもので代用しましょう!
●個包装のお菓子
豆まき後にみんなで食べれるし、散らばらないので楽。子供も実は豆より嬉しいのでは??
●小袋入りの豆
袋のまま投げれば、中身が散らばらず衛生的。拾うのも楽です。
●新聞紙を丸めてボール状に
子供と一緒に作れば、準備から楽しめます。チラシとかでもOK、当たっても鬼も痛くない?
●卵ボーロ
アレルギのある方以外では良いかも。
👹 「アレルギー」にも要注意!
豆の誤嚥以外にも、小児科医として気をつけてほしいポイントがあります
豆によるアレルギー
豆まきで床に散らばった豆、ピーナッツの欠片を、小さい子がハイハイで探し出して食べてしまうケースもあり、要注意です。
- 大豆、ピーナッツアレルギー: 食べたことがない子が、節分をきっかけに初めて大豆、ピーナッツを口にし、アレルギー反応を起こすケースがあります。
- 掃除の徹底: 豆まきをした後は、家具の隙間などに豆が残っていないか、大人の目で徹底的にチェックしてください。
🩺 もし、豆を喉に詰まらせてしまったら?
万が一、お子さんが豆を詰まらせてしまい、激しく咳き込んだり、声が出なくなったり(チョークサインという首を手で押さえる仕草)した場合は、迷わず119番(救急車)を呼んでください。
救急車を待つ間、以下の応急処置を行います。
- 乳児(1歳未満): 背部叩打法(背中を強く叩く)
- 幼児(1歳以上): 腹部突き上げ法(ハイムリック法)+背部叩打法
1歳未満では、ハイムリック法は内臓損傷のリスクがあるのでNGです
「5回の背部叩打と5回の腹部突き上げ(乳児は胸部突き上げ)を交互に繰り返す」ことが、2025年の最新の医学的ガイドライン(JRC蘇生ガイドライン2025、およびAHAガイドライン2025)にて示されています。
●背部叩打法(乳児用)
1. 椅子に座った救助者の太腿の上に乳児をうつぶせに乗せ、手のひらで乳児のあごを支えます。
2. 乳児の頭を体より低く保ちます。
3. もう片方の手のひらの付け根で、左右の肩甲骨の間を力強く5回叩きます。
●背部叩打法(1際以上)
• 後ろから片手で胸を支え、もう片方の手のひらで肩甲骨の間を強く叩きます。
●ハイムリック法(腹部突き上げ法)
1. 子供の後ろに回り、ウエスト付近に腕を回します。
2. 片方の手で握りこぶしを作り、その親指側を子供のみぞおちより十分下(へそとの中間)に当てます。
3. もう片方の手でこぶしを握り、素早く手前上方に向かって引き上げます。
[注意] > 無理に指を突っ込んで取ろうとしないでください。かえって奥に押し込んでしまう危険があります。
まとめ:安全第一で「福」を呼び込もう!
節分は日本の素晴らしい伝統行事です。しかし、その行事が悲しい事故に繋がってはいけません。
- 5歳以下には豆を食べさせない。
- 投げるときは個包装のまま、または代用品で。
- 終わった後の掃除は完璧に!
この3点を守って、家族みんなが笑顔で春を迎えられるようにしましょうね。


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